今回はバボラの定番ポリエステルストリング『バボラ・RPMブラスト』をインプレッション。
ナダルやアルカラスといった世界トップクラスのハードヒッターたちに愛されるこのストリングの魅力、オススメのプレイヤー、デメリットなどをまとめました。
こういう人にオススメ |
振り切るスピンで攻める人 ストローク重視の男性 競技レベルの高い人 強打し続けたい人 スピンをねじ込みたい人 |
こういう人には不向き |
薄ラケユーザー 合わせる打ち方もする人 筋力が平均レベル以下の人 |
バボラ・RPMブラスト
(Babolat RPM BLAST)
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ナダルやアルカラス、ワウリンカやフォニーニなど、ATPツアーの中でも屈指の強打を誇る選手たちに愛されているポリエステルストリングがこのバボラ・RPMブラスト(Babolat RPM BLAST)。
発売から10年以上経っていますが、スピン系ストリングの代名詞として安定した人気を獲得し続けている製品となっています。
スペック/仕様
製品名 | バボラ RPMブラスト |
素材 | ポリエステル +シリコンコーティング |
断面形状 | 8角形 |
構造 | モノ |
太さ | 1.20mm 1.25mm 1.30mm 1.35mm |
色 | ブラック |
価格 | ¥3,190 (12m) ¥41,800 (200m) |
発売日 | 2010年6月 |
RPMブラストなら、試合で重いスピンをかけることも、試合を最大限コントロールすることも可能です。
babolat.com
ラケットを大きく振り抜いてフルストロークを打つときに、RPMブラストは素晴らしいパフォーマンスを発揮します。ドライブのかかったパスショットを打ったり、これまでに見たこともない角度で打ったりすることができます。
ラファエル ナダル選手や彼の対戦相手の選手に聞いてみてください。このストリングはフランス製です。
特徴・テクノロジー
・シリコンコーティング
・丸みのある8角形断面形状
・高密度ポリエステルを使用
RPMブラストは8角形(オクタゴナル)形状+シリコンコーティングがされているポリエステルストリングです。
発売された頃はプロハリケーン、プロハリケーンツアーがバボラの主力ポリエステルでしたが、より強烈なトップスピンを打ち込む次世代のプレーに対応するためナダルらとともに開発された製品となります。
RPMブラストをインプレ・評価
パワー | 1 | 振った分だけ球威出る |
スピン性能 | 1 | しっかり掛けられる |
アシスト | -1 | 振り切る人向け |
トップスピン | 1 | 掛けやすく調整しやすい |
スライス | 0 | 可もなく不可もなく |
打感の柔らかさ | -1 | 硬めのカテゴリー |
反発力 | 1 | 硬さで弾きもある |
飛び | 1 | 飛距離は結構出る |
打ちごたえ | 2 | 打ち応えはトップクラス |
滑り | 0 | 意外と滑らない |
引っかかり | 1 | ほどよい引っ掛かり |
快適性 | -1 | 平均以下・期待はNG |
耐久性 | 1 | 切断耐久性は良好 |
コスパ | 0 | 滑りの劣化が早い |
しっかりした打ち応えがあり、スピンで強打してもパワーロスしにくい適度な硬さがブラストの大きな特徴。
しっかり振り抜ける高レベル帯のプレイヤーであれば、相手コートの奥深くに突き刺さるスピンを安心して打てるストリングと感じられるはず。
打球感:ガシッとした打ちごたえ
打球感は硬めでガシッとした打ち応えがあり、スイングのエネルギーをロスせずに推進力として伝えやすかったです。
アルパワーやレーザーコードよりは硬め、G-TOUR1やファントムプロよりはほんのり柔らかめといった印象。
どれだけ強打しても不安定さやたわみ過ぎを感じることはなく、スイングスピードが速い人ほど恩恵を感じやすいのではないかと思います。
ただし、合わせるようなスイングや運ぶようなスイングとは相性は良くないので、意図せず抜けたりショートしてしまうピーキーさが出てしまうと思います。
性能:スピードと回転のバランス良し
パワーロスの少なさとほど良い引っ掛かりにより、スピードとスピン量を両立したストロークを打ち込みやすいですね!
ほど良い引っ掛かりは弾道やスピン量を調整しやすく、振り切るほどスピンで安定する・収まるタイプという表現がぴったり。
ボレーにおいても弾いて飛ばす感覚はあるので、しっかりブロックするようにすれば深さを出しやすいのも好印象。
サーブではごまかしが利かない感じが強く、1stでも2ndでもスイングスピードを維持して打ち抜けるスキルは必須だと思います。
メリット / デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
パワーロスが少ない 弾道の調整はしやすい 引っ掛かりは平均以上 ゲージの選択肢が多い | アシストは少ない 打球感が硬い 振り切らないと抜ける |
パワーロスが少なく、ほど良い引っ掛かりによって弾道の調整(高さ)の調整はしやすく感じました。
ゲージも1.20~1.35まで4種類と選択肢が広いのもメリットのひとつと言えるでしょう。
デメリットとしてはアシストが少ないことや打球感が硬く感じやすいこと、振り切らないとショットが抜けやすい点などが挙げられます。
ULTRA TOUR100v4に1.25を張ってみたけれど・・・
愛用しているウルトラツアー100v4にRPMブラスト1.25mmを45ポンドで張ってみましたが、正直結構厳しいなという印象。
良い時は凄く良いショットが行くんですが、ダメな時は一気にクオリティが下がってしまい、特に実戦では凄くピーキーな使い心地でしたね。
スイングが甘くなると若干スピンが抜けた感じになってしまい、サーブもストロークも微妙にオーバーしてしまうのが気になりました。
1.20にゲージを落とすか、もう少しアシストのあるラケットと組み合わせた方がブラストの恩恵が安定して感じられるんじゃないかなと。
こちらの動画(※0-3と劣勢になって以降)では、EZONE98Lにブラスト1.20mmを45ポンドで張って使用しています。
セッティングのポイント
・中厚以上のラケットが良さげ
・薄ラケなどには若干不向き
・テンションは50以下で十分
ラケット:中厚以上のモデルが合いそう
ある程度アシストや飛びの良いラケットと組み合わせると性能が発揮させやすく、ブラストの持つスピード+スピンの両立したショットが安定して打ち込みやすいと思います。
ピュアアエロやSX300のようなスピンコンセプトの黄金スペックはもちろん、ピュアドラやFX500、BEAST、VCORE100などと組み合わせても面白いと思います。
逆にBLADEやグラファイト、プレステージやCX200に組み合わせる場合は、相当なフィジカルレベルがないと使いこなすのは難しいと思います。
テンション:50ポンド以上は必要なさそう
ストリング検証動画ではRPMブラスト1.25mmを使って撮影してきたのですが、テンションを50ポンド以上にする必然性はかなり薄いと思いますね。
適度な硬さでパワーロスはしにくいストリングなので『50ポンド以上にしないと合わなそう』と感じている場合は、それ以外の要素(ゲージやラケットのスペック、そもそものストリング選定)を見直した方が良いかもしれません。
ライバルストリングと比較
選び分けのポイント:適度な硬さ+適度な引っ掛かり
打球感や打ち応えの近いライバルストリングの多くが丸形かエッジの効いた多角形となっているため、RPMブラストとガッツリ競合するモデルというのは少ないですね。
なのでカッチリしつつもほど良い引っ掛かり感というのが独自性につながっていて、長く売れ続けているのにはこういった要因もあるのかなと思いました。
バボラ・RPMブラスト:まとめ
アドブロ (コトウダマサト/TRUEMAN)
・30代男性
・テニス歴約20年
・オールコートプレイヤー(自称)
・EZONE98L/BLACKOUT285
・ラケット累計100本以上テスト
・ストリングは200種類以上テスト
アドブロの詳しいプロフィール