今回インプレするのは2025年覇権ラケット筆頭候補のYONEX EZONE100!

しっかりとしたフレームによる軽やかな飛び、それでいて快適な打球感・フィーリングも実現。
パワーとマイルドさを両立したお手本のような黄金スペックがこの新型EZONE100です。
メリット |
快適さと扱いやすさ オールラウンドな性能 十分なパワー・アシスト 広めのスイートエリア |
デメリット |
見た目の好き嫌いは分かれる 打感のクリアさは少ない 振り抜きのモッサリ感 |
YONEX
EZONE100 (2025)

約3年振りにモデルチェンジが行われ8世代目となるEZONE100 2025年モデル。

前作は通常カラーのネイビーに追加色のブラックといずれもカッコよさが際立つ配色でしたが、新型では水色(公式にはブラストブルー)の淡くポップなデザインへと変更されました。

ここ数年のトレンドでもある同色系バンパー・グロメットを採用。
フェイス形状も少し変更が加えられているのですが、肉眼で見る分には大きな違いは感じ取れませんでした。
スペック
スペック | EZONE100 2025 |
フェイス サイズ | 100 inch2 |
重量 | 300g |
バランス | 320mm |
フレーム 厚さ | 24.5 26.5 23.0 |
長さ | 27 inch |
ストリング パターン | 16/19 |
グリップ サイズ | 1 2 3 |
発売予定 | 2025 1月 10日 |
価格 | 税込み 41,800 |
カタログスペック上は前作をほぼ踏襲していますが、フレームトップ部分の厚みが23.8mm→24.5mmへと僅かに厚くなっています。
また最も薄い部分も22.5mm→23.0mmとなっており、しなりが抑えられることによるパワーアップが期待出来そうです。
実測値:SW277・RA値68
重量 | 298g |
バランス | 318mm |
スイング ウェイト | SW277 |
RA値 | 68 |
今回はカタログ値300gよりも僅かに軽い個体をゲットしました。
スイングウェイトは277で若干軽め、RA値は68とやや高めとなっています。
ピュアドライブ2025が296g・SW273・RA68でしたので似たようなスペックになっていますね。

実物のフレーム厚を計測してみましたが、一番薄いのはシャフトの真ん中部分で22.9㎜でした。
逆にフレームサイドはほぼ最厚の26.7㎜で推移しており、ピュアドライブと比べても全体的に分厚いフレームになっていることが分かります。
特徴・コンセプト
フレームの厚みが増加≒打感は硬くなる傾向があるワケですが、それに対してフレーム各所のジオメトリーなどを見直すことによって快適な打球感を実現しています。
詳細はこちらの記事で解説していますので、あわせてお読みください。
【打球感】
軽やかさにしっとり感もプラス
柔らかさ | 1 | 掴む・乗る感触十分 |
打ち応え | -1 | 手応えは軽いほう |
スイート エリア | 2 | 面100の中でも広い |
弾き感 | 0 | 前作よりやや低減 |
安定感 | 1 | 不安定さは感じない |
減衰性 | 1 | 前作よりも向上 |
快適性 | 1 | 負担も少なく快適 |

インパクトでの食いつき・乗りのある柔らかい打球感でありながらも、そこから軽い手応えでスッキリと飛ばしてくれるEZONE100らしさは健在。
ライバルであるピュアドライブと比べると明らかに打球感は柔らかく、スイートスポットを外し気味で打った時の衝撃や手に来るダメージも圧倒的に少ないです。
前作よりマイルド+ミュート
前作EZONE100と基本的なテイストは共通していて、柔らかいのにだるくなくスッキリ飛ぶという持ち味を丁寧にブラッシュアップしたのが新型。
ただ前作と比べるとよりマイルドでミュートされた感じがあり、ひとによってはややぼやけた打球感という評価になるかもしれません。
複数のストリングでテストしましたがポリツアープロ125単張りだとホールド感がやや強すぎで、ルード・ハイブリッド(PTスピン125xPTプロ130)の方が硬さによるシャープさが感じられて好印象でした。
【性能】
扱いやすいパワー+高い汎用性
ストローク | 1 | 楽に深さが出せる |
ボレー | 1 | 気をつかわず返球可能 |
サーブ | 1 | スピン系も打ちやすい |
ドライブ | 0 | やや伸びが控えめ |
トップスピン | 1 | 回転量は十分 |
弾道の高さ | 0 | 98よりはやや高いが 100としては普通 |
スライス | 1 | 乗せ感が増え良好 |
パワー | 1 | アシストは強い |
操作性 | 1 | 十分なレベル |
振り抜き | -1 | ややモッサリ感あり |
性能的には全体的に前作とあまり大きく変わったという印象はなく、打感は柔らかくなったのに飛びが変わらないという表現が一番しっくりきますね。
相変わらずアシスト感は素晴らしく、特にディフェンス面での飛ばしやすさやコントロールしやすさ、スイートエリアの広さなどは非常に魅力的。
状況に合わせて攻守を切り替え堅実なプレーをする、そんなプレイヤーにフィットするオールラウンドモデルです。
サーブ:無理せず組み立てられる

ピュアドラのような溢れ出るスピード感というのはありませんが、アシストもあり無理せずそこそこのスピード+スピンを出せるのがメリット。
打った後のバランスも崩しくく3球目攻撃に繋げたり、リラックスして打つことでスタミナの温存なども期待出来そうです。
ストローク:ディフェンス力が光る

汎用性は非常に高いのでフラットで打って良し、スピンで打って良し、スライスも良し。
面100のラケットとして考えると、弾道の高さ(≒打球角度)は標準かやや低め。
弾道を上げようと思えば十分に調整することが出来るので、EZONE98と比べてディフェンスの為に時間を作る中弾道も打ちやすく感じました。

流石にEZONE98のような鋭い振り抜きは感じませんが、片手バックも問題なく振れる・打てるラケットにはなっていますね。

フィーリング的に乗り感が増えたことで、スライスは前作よりも打ちやすさが改善。
少し押して飛ばす・運ぶように飛ばすというのもしやすくなっており、スライスを多く使うプレイヤーにとっては大きなプラス。
ボレー:ブロックすればしっかり返る

スイートエリアの広さ、反発による飛びがあるので、ボレーはとにかく当てれば返せるという安心感がありますね。
EZONE98だとボレーはちょっと難しいと感じる場面もあったのですが、EZONE100だと難しいことはなにも考えなくても打てるような感じがして非常に良かったです。
動画インプレはこちら
EZONE100(2025)の単独インプレ動画はこちらからチェック。
とにかく打ちやすくて、リラックスしてプレー出来ました。
100を含む新型EZONE全スペックをテストした動画も公開しています。
スペックごとの違いが気になる方はこちらを参考にしてください。
【メリット】
柔らかさとパワーの融合
・柔らかさとパワーのバランス
・扱いやすいオールラウンドモデル
・十分はパワーとアシスト
・広いスイートエリア
従来モデルからのメリットであった柔らかい打球感とパワーのバランスは新型でも健在。
パワーとアシストは十分、スイートエリアも広く、特にディフェンス面においてメリットを感じられるはずです。
アイソメトリック形状ではありますが使い心地にクセはなく、多くのプレイヤーが使いやすいと感じられるラケットになっています。
【デメリット】
ややぼやけたフィーリング
・ミュートされた打球感
・好き嫌いの分かれる外観
前作よりもミュートされた感触は強まっているので、それが人によってはぼやけた感じ・情報が伝わってこない感じという評価になるかもしれません。
また前作とは雰囲気が変わったデザイン・配色も好き嫌いが分かれるポイントになりそうです。
相性の良いストリング(ガット)
前作よりもミュートされた感じが強まっているため、前作よりは少し硬めのストリングを合わせたほうが打ちやすく感じる人もいるかと思います。
PTプロ125を打ってみてモッサリ感が気になった人はPTファイアやG-TOUR3、スピード感も強調したい人はPTストライクなどを試してみると良いかもしれません。
これまでに試したストリング
String | 張力 [lbs] | 張方 | 重量 増加 | 感想 |
G-TOUR3 1.23mm | 45 | 1本張 | 16.1 | 芯があってスッキリ飛ぶ 無難で扱いやすいセット |
これまでに実際に張って試したストリングを一覧にまとめています。
各ストリング名をクリックすると、より詳細な感想を見て頂くことが出来ます。
【個人的評価】
扱いやすいラケットの理想形
ダブルス | ・○・・・ | シングルス |
ボレー | ・・○・・ | ストローク |
低弾道 | ・・○・・ | 高弾道 |
多彩さ | ・○・・・ | 安定性 |
柔らかい | ・○・・・ | 硬い |
スイートエリア 先端寄り | ・○・・・ | スイートエリア 手元寄り |
イージー | ・○・・・ | スパルタン |
ラケットはスペックの細分化が進み選択肢が非常に増えましたが、その中でもEZONE100は扱いやすいラケットという点で理想形に近いモデルだと思いますね。
アイソメトリック形状が生み出すパワーやスイートエリアの広さといった恩恵は享受しつつ、VCOREとは違って独特さも薄く非常に扱いやすいのがEZONE100。
前々作・前作とシェアを拡大し続け覇権ラケットと言っても良い存在になりつつありますが、実際に使ってみても非常に使いやすく売れるのも納得といった感じ。
ライバル比較
【ライバルラケット】
・ピュアドライブ2025
・ウルトラ100v4
・ビースト100
・SX300 / FX500
・TF-X1
・プライムスターブラック
・NOVA100 v3
ライバルはスペック的に面100+300gの中厚以上のモデルにはなりますが、ベストセラーになったということもあってあらゆるモデルと比較される存在になってきているかと思います。
最大のライバルであるピュアドライブはハマった時のスピード、打球感のクリアさ、あらゆる方向に対する剛性の高さがあるものの、EZONE100と比べると打球感はかなり硬めの印象。
この2本は打球感もパワーの出方も異なっているため、ライバルであるものの実は全然別物のラケットと言えますね。
フィーリング的に近いのはX100、ウルトラ100v4、ARMA PRO101などかなと思います。
旧型EZONE100との比較
前作EZONE100と比べると性能的にはあまり大きな変化はなく、フィーリング的に少しミュートされた感じが強まったかなと思います。
ただ基本的な使い心地は共通しており、セッティングを微調整すれば新旧移行は大きな問題にはならなそうです。
「旧型を安くゲットしたい」と考えている人もいるかと思いますが、型落ちになってもセール価格にはなっていないんですよね。
新型に比べたら僅かに安いものの、あまり金額差がないことを考えるとかなり悩ましい状況。
今後追加色が出るかどうか次第の部分もありますが、黒系が良いっていうのであれば早めにアクアナイトブラックを確保しておくしかないですね。
EZONE98との比較
EZONE100と98を比べると、98の方が弾道は低くスピード(推進力)重視のラケットになっています。
シングルスしかプレーしない、体力に自信があるという人なら迷わずEZONE98かなと思います。
逆にダブルスもシングルスも両方プレーする、スタミナもセーブしながらプレーしたい、そんな人はEZONE100のほうが無難なチョイスかと思います。
発売日・予約情報
新型EZONE100は2025年1月から発売開始となっています。
既にオンコートで見かける機会も増えており、販売本数はピュアドラよりもかなり多そうに見えます。
合わせて買いたい
少しホールド感が強めに出やすいセッティングではあるものの、十分に扱いやすくストリング選びの方向性を決める1張りとしても活躍してくれるポリツアープロ。
迷ったらとりあえずこれを張っておけばOKかと。
同系色のラケットバッグもリリースされているので、EZONE100に合わせて新調してみてはいかがでしょうか。
まとめ:EZONE100(2025)
・前作よりミュート感強まった
・扱いやすい飛びと高い汎用性
・ストロークの守備力が光る
・難しく考えなくても返るボレー
・少し硬めのストリングが合う
・扱いやすいラケットの極致
・ピュアドライブとは別物