HEAD SPEED PRO (2024)

今回は2024年にモデルチェンジが行われたヘッド・スピードプロ(2024)をインプレッション。

白黒+ラバー調コーティングの通常版と、黒+グロスのレジェンドの2パターンが用意されています。

今回は白黒の通常版に、ホークタッチが張られたものをテストしてきました。
スペック
モデル名 | SPEED PRO 2024 |
フェイス サイズ | 100 inch2 (645cm2) |
重量 | 310g |
バランス | 310mm |
フレーム 厚さ | 23mm |
長さ | 27 inch |
ストリング パターン | 縦18 横20 |
CPI | 300 |
発売予定 | 2024年 1月 |
価格 | 税込 41,800 |

100平方インチの23㎜フラットビームに、18×20の密なストリングパターンを組み合わせた特徴的なスペックのスピードプロ。
HEAD独自の指標であるCPIは300で、新型グラビティツアーやプレステージツアーなどと同じ数値となっています。
TennisWarehouseのデータによるとRA値は60とかなり低めであり、意外としなりの大きいフレームであることが分かります。
スイングウェイトはStrungでSW333なので(※フレームのみだと推定300ちょい)と非常に高い数値ですがRA60によるパワーロスを重みで補っているのかなと推測されますね。
【打球感】
柔らかく重みのあるフィーリング

打球感は非常に柔らかく、インパクトでグググッとボールが乗る・食いつく感触をしっかり味わうことができます。
厚さは23㎜均一なのそこまで薄いフレームではないのですが、非常にしなやかで柔らかい打球感ですね。
初代クラッシュ100ほどではないですが、それと近いくらいの柔らかさやしっとり感のあるラケットです。
打ち応えは強め、インパクトでの手ごたえも重めでしたね。
MPよりはややしっかり感がある
SPEED MPは通常版とレジェンドの両方を打ったことがあるのですが、それらと比べるとPROのほうがややしっかりした打球感でしたね。
ストリングが18×20で密になったことでたわみ量が減り、それがしっかり感を生み出しているんだと思います。
MPは16×19なのでフレームも大きくしなるしストリングも大きくたわむので、柔らかさは感じやすいもののややパワーロス感がありますね。
【性能】
低弾道+重みによる推進力

とにかく弾道は低く安定し、上方向にふかしてしまうような不安はほぼ皆無。
フレームのしなやかさと重みを活かし、前方向へ強い推進力を発揮してくれるラケットになってます。
低い弾道でまとまるのを活かせるか
このラケットは低弾道+前への推進力の強さが武器なのは間違いないと思いますね。
スイングが多少ブレてもラケット自体が低い弾道でまとめてくれる感じがあって安心。
逆に言えばラケットを振り上げても高い弾道は出しにくく、擦るようなスピンを打つと全然前に飛ばないという状態に陥りがち。
この低く出る弾道を上手く活かしてプレーするのがSPEED PROを使いこなすカギだと思いますね。
クラシカルな薄ラケ、ボックス系ラケットなどを使っていたベテラン世代も意外と気に入りそうなラケット。
重みでパワーを引き出すイメージ
フレームの反発力はかなり控え目で、ボールが食いついたところからラケットの重みとプレイヤー自身のフィジカルでパワーを引き出すようなイメージ。
SPEED MPはかなり頑張って打たないとスピードが出ない感じがありましたが、SPEED PROは310gの重みと18×20パターンになったことでMPよりも明らかにパワーが出しやすく感じました。
MPよりもPROのほうが”スピード感”が強くて、実はこっちのスペックが本命か?と思いましたね。
多彩さよりも安定性重視
弾道は低くまとめやすく、ゆったり大きくスイングしても重みにより深さが出しやすいので、無理に振り回すよりも丁寧にしっかりコントロールしながら展開するようなプレーとも相性がいいと思います。
(※もちろん上位のフィジカルを持ってる人はガンガン振り回して使っても良いと思います)
色んな弾道や回転を駆使するというよりは、一定の深さと球威を安定して発揮し続けることでプレッシャーをかけるような戦い方になるのかなと。
純粋なライバルはいないラケットかも
SPEED PROは面100でしなやかなフレーム、そこに18×20の密なストリングパターンの組み合わさるラケットなんですが、これとそのままガッツリ競合するような他社のライバルラケットは現市場にはほとんどないと思いますね。
強いて上げるとしたらピュアストライク98(18×20)や100(16×20)、パーセプト100D(18×19)、SHIT PRO(18×20)になるかなという感じ。
【セッティング】
やや硬めのほうが旨味でそう
ストリングが18×20になってしっかりしたとは言え、RA60のフレームのしなり感はかなり強め。
ラケットの特性を生かしつつ若干のサポートをプラスするという狙いで、硬めのストリングの細ゲージなどが面白いのではと。
こういった場面で真っ先に思い浮かぶのはヨネックスのポリツアーストライク。
パワーロスしにくいしっかり感とほど良い快適性、そしてこのカテゴリーでは珍しく1.20mmの細ゲージが展開されているのが良いですね。
ポリの代表格であるアルパワーも1.10mmまで展開されているので試してみるのもいいかも。
【アドブロ的総評】
コツをつかめばMPより使いやすそう
現行スピードはRA60と非常にしなやかで、スピードMPレジェンドを買ったもののそのしなやかさを攻略できずに終わったアドブロ。
一般人にPROはきついからMPにしておこう・・・っていうのが普通の考えだとは思うんですが、実際に両方使ってみたらコツをつかめたらMPよりもPROのほうが使いやすいかもと思いましたね。
18×20のおかげでとにかく安定して低く弾道が出ること、310gの重みによってゆったり振っても安定して飛距離が出ること、この2つが組み合わさり無理せず一定以上のクオリティのショットが打てるんですよね。
なのでブンブン振り回すよりも、重さを活かしてフラット気味に打つような意識を持てばMPよりも安定して深いショットを供給して相手を追い込めるはずです。
それこそクラシカルな薄ラケ、ボックス系ラケットの人がテクニカルに使う現代風(?)のラケットっていう選び方をしても面白いかもしれないですね。
まとめ:ヘッド・スピードプロ2024

アドブロ (コトウダマサト/TRUEMAN)
・30代男性
・テニス歴約20年
・オールコートプレイヤー(自称)
・EZONE100(2025)使用中
・ラケット購入本数110本以上
・ラケット累計200本以上テスト
・ストリングは300パターン以上テスト
アドブロの詳しいプロフィール