トッププロの多くが採用しているのが『ハイブリッド・ストリング』。
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フェデラーもハイブリッドを使用して、数々のタイトルを制してきました。
この記事では初心者の方でも分かるようにハイブリッド・ストリングについて徹底的に解説!!
ストリング選びの参考に役立ててくださいね!
・ハイブリッドストリングについて徹底解説
・初心者の方でも分かるようにカンタンに!
・ハイブリッドを選ぶメリットやデメリット
・沢山ある中から何を選ぶべきなのかが分かる?
・オススメの組み合わせも紹介!
ハイブリッドストリング(ガット)って何?
ハイブリッド=縦と横で異なるストリングを張る
ハイブリッド・ストリングをシンプルに表すなら『縦と横で異なるストリングを張ったもの』。
この画像もメインストリング(縦糸)にVSタッチ、クロスストリング(横糸)に蛍光緑色のハイパーGと、色も素材も太さも違う2種類のストリングを張っています。
そう、これがハイブリッドなんです!
トッププロでも使用者が多いハイブリッド
トッププロでもハイブリッドストリングを使っている選手が沢山います。
ノバク・ジョコビッチやロジャー・フェデラー、アンディ・マレーはいずれも、ナチュラルとポリエステルを組み合わせたハイブリッドを使用しています!
※ストリング(ガット)の素材が分からない!という方は先にこちらの記事をチェックしてもらうと、ハイブリッドの話が分かりやすくなります!
→ 素材による違いを解説!ナイロン、ポリ、ナチュラル比較[テニス基礎知識編]
2000年代〜2010年代はじめにかけて、240km/hオーバーの高速サーブで活躍したアンディ・ロディックもハイブリッドを使っていた1人です。
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そして日本を代表する錦織圭選手・大坂なおみ選手も、ストリングはハイブリッドを使用しています。
この記事ではハイブリッドについてガッツリ解説していますので、パフォーマンスアップに役立ててくださいね!
ハイブリッドのメリット:選択肢は無限大
(2)単張にはない使い心地が出せるよ!
(3)プレーの質が上がるかも!
(1) 組み合わせはほぼ無限大!
ハイブリッドは2種類のストリングを組み合わせる方法ですが、とにかく組み合わせのパターンが無数に存在しています!
ラケット以上に商品が多いストリング。
素材の違い、太さの違い、縦横の違い・・・好きに組み合わせる事が出来るんです!
縦にポリエステル、横にナイロン(ナチュラル)を張る一般的なパターンはもちろん、縦と横を逆にした縦ナイロン+横ポリエステルというパターンもあります。
さらにポリ+ポリ、ナイロン+ナイロンという同素材を使ったマニアックなハイブリッドもあったりと、とにかく種類がたくさん!
(2) 1つの素材では得られない使用感を実現!
ポリエステルやナイロンの1つの素材では得られなかった使用感を得られるのがハイブリッドの大きな魅力です!
・ナイロン単張だと打感が頼りない
ポリ単張にナイロンを足す事で、ボールの弾きが良くなって後半でも打ち込める!
ナイロン単張にポリを足す事で、素材の硬さによってもっとハッキリとした打球感に変化!
異なる素材の良い所をプラス出来るのがポイントですね。
(3) プレーの質が上がるかも!
ストリングを色々試す理由って、結局は『もっと良いプレーを実現する』って事だと思います!
ポリやナイロンの単張でも太さやテンションの調整は出来ますが、やはり限界がありますよね・・・
そんな時にハイブリッドをしてみて、2つのストリングのいいとこ取りが出来たらプレーの質が上がるのは間違いなし!
ハイブリッドのデメリット:コスパなどは不利
特にデメリットはないの?
・テンション維持性が良くない
・コスパが良くない
・性能が予想しづらい
テンション維持性が良くない
ポリエステルはテンション維持性能が低い、ナイロンやナチュラルはテンション維持性能に優れている、というのは知ってた人が多いんじゃないでしょうか。
ハイブリッドで縦ポリ+横ナイロンで張った場合、実際のテンション維持性能はポリ単体とほぼ同等レベルになってしまう事が多いようです。
横にナイロンが張ってあったとしても、ポリ側のテンション変化に引っ張られる形になってしまうんですよね。
コスパはあまり良くない
ポリ並みのテンション維持性能になってしまう事に加え、ナイロンの方が単価が高い場合が多いので、コスパの面では過剰な期待はしない方が良いかと!
お店で張ってもらう場合、2種類ストリングを買わないといけないのも負担に感じる人もいそうですね。
また選択肢が無数に存在している事で、かえって選ぶのが難しくなってしまう事があるのもある意味ではデメリットかも。
どのような性能になるのか予想しづらい・・・
ハイブリッドの難しい点は2種類のストリングを組み合わせるので、単張りの時に比べてどのような性能になるのかが予想しづらい点。
ストリングの相性、フレームとの相性があるので、実際打ってみるまでは結構ドキドキ(笑)
ハイブリッドの選び方・探し方は?
そしたらハイブリッドってどうやって選んだら良いの?
(1) 基準となる単張を見つける!
(2) クロスを変えてハイブリッドにする
(3) 種類やテンションを再調整する
(1) まずは基準となる単張を見つける!
ハイブリッドを使い始めて15年以上になりますが、まずは単張で試してみた方が良いかなと感じてます。
特にポリエステル系のストリングは素材が硬く、ナイロンやナチュラルとハイブリッドしてもポリエステルの感触が多めに出る事が多いです。
なのでポリエステル単張である程度好みの感触に近いものを見つけておく事が大切です。
(ストリングが固定出来れば、もう一方のストリングはガンガン試していけるので!笑)
(2) クロスを変えてハイブリッドにする
基準となる単張(ストリング)を見つけられたら、次の張替え時にハイブリッドにしていきましょう!
メインストリング(縦糸)は基準となるストリング、クロスに別のストリングを組み合わせてハイブリッドにしていきましょう!
僕も色んなハイブリッドを試してきましたが、縦ポリエステル+横ナイロンが性能的なバランスやアジャストのしやすさに優れている印象です。
(失敗した時もダメージが少ない!笑)
(3) 種類やテンションを再調整する!
(2)のハイブリッドの感触を踏まえて、張替え時には再調整をしていきましょう。
感触が硬すぎた場合にはテンションを少し落としてみたり、クロスのストリングの種類をもっと柔らかいものに変えてみるのがおすすめ。
このサイクルを繰り返して好みの感触・性能を見つけ出すのが、最終的なゴールとなります。
縦(メイン)と横(クロス)の影響は?
縦と横の影響ってそれぞれどう違うの?
ストリングの組み合わせ次第で変わります!!
(答えになってなくてごめんなさいw でも本当だから!)
グーグルでハイブリッドについて検索してみても、縦・横の影響については人によって意見が違ったりしているので、”ハッキリとコレ!”という理論は確立されてないのが現実ですね。
個人的にはどっちに張ってもポリの感触の方が強く出る印象が強いものの、縦にナイロンを張った時は若干ですがナイロンっぽさが強調される・・・こんな感じですね。
あんまり気にしなくてもOK。
どっちを縦に、どっちを横にするか問題は・・・正直、あんまり気にしなくてOKだと思います。
とりあえずストリング①+ストリング②の組み合わせを見つける事が大切。
『それでも縦・横問題が気になる!』という人は、こちらの記事をチェックしてみてくださいね!
ナイロンを縦にするとちょっと弾きが良くなりました!(≒ ナイロンっぽさがアップしました。)
ナイロン基準+ポリをするのは結構大変かも
繰り返しになりますが、個人的にはベースとなる単張ストリングはポリエステルから探してみるのがオススメ。
というのも、先にナイロンを決めてポリエステルを後から足していく場合、ナイロン単張からの変化が大きくて予想がしづらい!
ナイロン単張で基準決めたのに、ソコから大きくずれてしまったらもったいないですよね?
(※絶対ナイロン基準がダメ!というワケじゃなく、ポリから考える方が失敗しにくいと思うから!)
トッププロのハイブリッドとは?
ここではトッププロが実際に使用しているハイブリッド・ストリングについてザックリとご紹介して行きます!
フェデラー:縦ナチュラル+横アルパワーラフ
ジョコビッチ:縦ナチュラル+横アルパワー
マレー:縦アルパワー+横ナチュラル
錦織選手:縦ナチュラル+横エレメント
西岡選手:縦ナチュラル+横ポリツアースピン
国枝選手:縦ナチュラル+横ハイパーG
クエバス:縦アルパワー+横4G (ポリxポリ)
ほとんどの選手がナチュラルとポリエステルの組み合わせで使用しているんです!
しかも縦にナチュラルを入れるのが多数派のようです。
クエバスは少し変わっていて、ポリとポリを組み合わせたハイブリッドになっています。
好きな選手のハイブリッドを真似してみるのも面白いかもしれませんね!
オススメの組み合わせ・ハイブリッド
ではハイブリッドの基礎知識をバッチリ把握出来たそこのあなた!
ここでは目的別にオススメなストリングを紹介していきます!
使いやすいバランス型:ポリツアープロ+XR3
『ハイブリッドは初めて!』という方にオススメしたい、性能バランスが良く使いやすいハイブリッドがヨネックス・ポリツアープロ+テクニファイバー・XR3。
メインとなるポリツアープロはクセが少なく、ポリとしては比較的弾きが良いのが特徴。
そこにXR3を組み合わせる事で、多少柔らかさをプラスしつつも弾きを損なわない使いやすいハイブリッドを実現。
スピン性能アップ:レッドコードWAX+XX128
『スピンをしっかり掛けたい!』という人にオススメしたいのが、テクニファイバー・プロレッドコードWAX+トアルソン・バイオロジックXX128のハイブリッド。
ベースにするプロレッドコードWAXは、表面の滑りを良くする潤滑剤が内部まで浸透させてあるポリエステル。
基本的に滑りが出にくいナイロンと組み合わせても、ストリングの動きやすさを演出してくれます。(1.20mmの細ゲージおすすめ!)
組み合わせるのはバイオロジックXX128。
反発力の良さだけでなく、表面コーティングによって滑りやすい性能も魅力!
ある程度の反発力をキープしつつ、滑りの良いストリングを組み合わせる事で、伸びのあるスピンボールが打てるはず!
おまけ:イマイチだったハイブリッドたち
オススメを紹介してきましたが・・・ここでは、イマイチだったハイブリッドを正直に告白していきます。笑
(1)RPMパワー + AKプロ
これはここ最近では1番イマイチでした(笑)
単張時にスピンは結構掛かるけど反発力不足だったRPMパワーに、AKプロをハイブリッド。
少し飛ぶようになったんですが、ストリング同士が全く滑らない!!
スピンは掛けづらくなり、板っぽい打感に。
ガッカリでしたね・・・・
(2)ハイパーG1.20mm + ミクロスーパー1.25mm
縦にミクロスーパー1.25mm(ナイロン)、横にハイパーG(ポリエステル)の1.20mmを組み合わせてみたんですが・・・まぁーイマイチ!(笑)
とにかく弾く・・・というか弾きすぎる!
ホールド感が薄くて、ボールをコントロールする前にどっかに飛んでいっちゃう感じ。
太さの組み合わせも大切ですね・・・
(3)ツアーバイト1.30mm + アイコニック・タッチ 1.30mm
上手く厚い当たりで捉えた時はなんとか相手コート深くまで押し込んでいけるのですが、とにかく油断が許されないハイブリッド。ツアーバイトの5角形がナイロン側にめり込んでしまってほぼ動かない!
弾道を上げてスピンで落とす・・・っていうショットが全くというほど機能しなかった(笑)
ハイブリッドストリング|まとめ
・ハイブリッドストリングを徹底解説
・トッププロもハイブリッドを使用
・選択肢は無限大!
・単張にはない性能を実現
・実際のコスパは微妙なところ
・選択肢が多過ぎて選ぶのが大変
・ポリエステルをベースに選んでいくのが吉
いかがでしたでしょうか?
ハイブリッドの基礎知識から、実際にどう組み合わせるかまでイメージが掴めたんではないでしょうか!
このブログでは、ハイブリッドストリングのインプレ記事もたくさん用意しています!
ぜひチェックしてみてくださいね!