今回インプレするのは左右非対称シャフトという強烈な個性を持った競技者向けラケット『プリンス X100TOUR 2024』です!
X100無印と形状(モールド)は同じですが、内部構造も異なっていて強いボールを打ち合う時の安定性が段違いの『別物』に仕上がっています!
X100に比べるとより高いレベルのスキル・フィジカルは必要となるラケットだと思いますが、それだけにメリットもハッキリと分かるはずです!
こんな人にオススメ |
強打してもブレないのが欲しい ある程度打ち応えが欲しい ストローク主体で相手を崩したい 安定したショットが打ちたい |
メリット・デメリット |
○ フレームの安定性 ○ 強打してもされても安心 ○ 減衰性は非常に高い ○ ホールド感が強め × しっかり振る必要はある × 楽するならX100無印 |
この記事では『Prince X100TOUR』を発売前に先行して打たせてもらった感想をまとめています。
X100 TOUR 2024年モデル
左右非対称シャフトという唯一無二の個性を持ったXシリーズから、競技者向けのテイストを強めたX100TOURの2世代目(2024年モデル)が登場。
前作はシンプルな高弾性カーボンのみでしたが、今回はテキストリームxトワロンを採用してパワーアップしています。
スペック/仕様
ブランド メーカー | Prince プリンス |
モデル名 | X100 TOUR |
フェイス サイズ | 100 inch2 |
重量 | 300 g |
バランス | 320 mm |
スイング ウェイト | 288 |
フレーム厚 | Max 24.5 mm min 20.0mm |
フレックス | – |
ストリング パターン | 16×18 |
グリップサイズ | 1,2,3 |
発売予定 | 2024年 2月 |
価格 | 42,000円 (税込46,200円) |
Xシリーズの大きな特徴のひとつが、フェイス周りがボックス形状になっている点。(※新型のX98TOURは外側がラウンド気味に変化)
最大厚24.5㎜でボックス形状というのは珍しく、左右非対称シャフトと合わせて個性を放っています。
特徴・コンセプト
トリプルチューブテクノロジーの「X100 TOUR」にテキストリームxトワロンテクノロジーとATSが加わりフルモデルチェンジ。
https://princetennis.jp/product/7tj216
面剛性が非常に高く反発性が増した競技志向のプレーヤー向けのパワーとスピン性に優れたモデル。
前作と大きく変わった点は素材にテキストリームxトワロンが加わり、パワーや快適性・コントロール性に大きく貢献しています。
またX100とモールド自体は共通ですが、内部が3本のチューブで構成+コアが注入されていることで高い安定性・詰まった打球感を実現。
インプレ:減衰性と安定性が大幅アップ!
評価項目 | X100 TOUR | X100 |
サーブ | +1 | +1 |
ストローク | +1 | +1 |
ボレー | 0 | +1 |
ドライブ | +2 | 0 |
トップスピン | 0 | +1 |
スライス | +1 | +1 |
弾道の高さ | 0 | 0 |
反発力 | -1 | 0 |
パワー | +1 | +1 |
ホールド感 | +1 | 0 |
安定性 | +2 | +1 |
操作性 | 0 | +1 |
振り抜き | +1 | +1 |
減衰性 | +1 | 0 |
快適性 | -1 | +1 |
X100と比べると、より強く直線的な速いショットが打ちやすくなっているのがX100TOURの特徴。
振り切ってこそTOURらしさが発揮されると言っても良いかもしれません。
打球感:しっとり感+打ち応えが増加
同じセッティングのX100と比べても、X100TOURの打球感はしっとりしていて打ち応え・手応えも若干強め。
特に強いボールを打とうとした時にはこの手応え=反力を感じられることで、あまり細かい出力調整をしなくても打ち切れる安心感につながっていますね!
減衰性も高まっており、打ち応えは適度にあるけど振動や衝撃自体は抑え目といった印象。
※今回のストリングはプリンス・ツアーXXスピンを使用
性能:強打でも全くブレない安定性
X100が楽に色んなプレーをこなせるラケットだったのに対し、X100TOURになると全体的に攻撃力+安定性を高めたラケットと言えますね。
とにかく強く振ってもブレない、相手に強いボールを打っても簡単には押し込まれずに押し返せるという感覚がありました。
ボールの推進力(前方向への勢い)を出しやすくなっているため、少し弾道が低め+スピンが効いたドライブ系ショットでラケットの旨味を感じられます。
サーブ:重みも使いつつ伸びる1st
打球感も相まって、インパクトでの重みを感じやすくなっているX100TOUR。
特に1stサーブでしっかり振り切れれば、スピードの乗ったフラット系を叩き込むことが出来ます。
スピン系に関しては平均値+αという感じで、実力がそのまま反映されます(笑)
リターン:当てればなんとかなる安心感
ラケットの剛性感・面安定性が非常に高いため、相手の速いサーブに対しても弾かれる・ブレるという感覚は少なめ。
ブロックして返せる安心感も十分ありますが、ラケットの持ち味を最大化するという意味では積極的に振って球威を出していく方が良さげ!
ストローク:ドライブ系の推進力が強まる
X100よりも推進力が強くなり、ドライブ系をどんどん打ち込んで相手を崩すパワープレーに持ち込みやすくなっています。
僕の体力ではX100の方が色んなショット(もとい小細工)をやりやすく、X100TOURは多彩さよりも球威や安定性で勝負するようなイメージでした。
スライスも非常に打ちやすく、X100よりも重みがある分だけ深く鋭いショットが打ちやすくなっています。
ボレー:弾かれない安定感
X100はちょい掴んで軽やかに弾くというイメージだったんですが、X100TOURはもっと良い意味での板っぽさ・壁っぽさが強くなってます。
相手に強いボールを打ちこまれてもラケットが負けにくいので、プレイヤーの腕に伝わる衝撃や押し込まれる感覚は最小限。
コンパクトにセット、無駄に動かさずに返球出来るので、高いレベル帯のダブルスなどでも武器になるはずです。
メリット・デメリット
メリット | デメリット |
・安定性と減衰性が高い ・強打が安心して打てる ・ブレや衝撃が少ない ・球威、推進力が出る |
・汎用性はX100が上 ・しっかり振る必要有り |
X100TOURのメリットは安定性や減衰性の高さがもたらす強打のしやすさ・安心感だと思います。
打っても打たれてもブレない、そりゃ振らなきゃ損だ!って思えるラケットです。
一方で色んなショットを楽に打つならX100の方が有利、X100TOURは良くも悪くももっと振る人向けにチューニングされたラケットと言えるでしょう。
オススメのプレイヤー、ターゲット
ダブルス | ・・○・・ | シングルス |
ボレー | ・・・○・ | ストローク |
高い弾道 | ・・・○・ | 低い弾道 |
スピン | ・・・○・ | フラット |
バリエーション | ・・・○・ | 安定性 |
スイング小さい | ・・・○・ | スイング大きい |
柔らかい | ・○・・・ | 硬い |
アシスト | ・・・○・ | ハード |
X100TOURは単複問わず使っていけるラケットですが、旨味を感じやすいのはストロークをしっかり打って展開したい人だと思います。
幅広いバリエーションよりは球威+安定したショット、そして大きめスイングでしっかり振り切れる人にオススメ。
X100との違い・選び分け
モールドは完全に同じX100ですが、実際に使ってみたらかなり異なる感触でした!
球威、減衰性、安定性、打ち応えを重視する方はX100TOURがオススメ。
アシスト感、バリエーションの出しやすさを重視するならX100がオススメ。
ライバルラケットとの比較
ライバルとしてはEZONE100をはじめ、23㎜厚+100平方インチのCX400TOURやSPEED MPなどが挙げられます。
X100TOURを選ぶ理由:圧倒的安定性と減衰性
ライバルと比べてX100TOURは明らかに安定性が感じやすく、減衰性や密な打球感というのも大きな違いになっています。
やはりトリプルチューブテクノロジーという独自の構造がこの違いを感じやすくさせているのではないかと思います。
フレームの厚みはかなり違いますが、EZONE100は十分ライバル的存在。
重量やバランスは一緒ですがシャープな球離れ・反発でスピードを出しやすいEZONE、もっと打ち応えが強いのがX100TOUR。
ボックス系という意味でCX400TOURを比較対象に入れる人も多いはず。
打ちやすいショットは割と近しいと思いますが、CXの方が良くも悪くもしなやかさや柔らかさを感じ取りやすいですね。
X100TOURの方が筋肉質で密度が高い感じ(伝われ)。
発売日は2024年2月予定
X100TOUR(2024)の発売予定は2024年2月頃となっています。
まだしばらく時間はありますが、それまでに購入するための軍資金を準備しておこうという感じでしょうか。
X100TOURと色味が近く、控えめなデザインで通勤やカジュアルな場面でも浮きにくいシンプルなラケットバッグも用意されています。