02-ストリングインプレ

【コラム】ポリエステルストリングの進化を世代ごとに振り返る。

ポリエステルの歴史・世代解説
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テニス系ブロガー
コトウダマサト (TRUEMAN)
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・テニス歴約20年

・オールコートプレイヤー
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ポリエステルの進化・変化を世代ごとに振り返る

今回はポリエステルストリングの変遷・歴史を振り返るため、第1世代〜第5世代に分類してそれぞれを解説しています。

TRUEMAN
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第1世代:高い耐久性とガチガチの硬い打球感
(〜2000)

・製品化されたポリ系の先駆け
・ナイロンより遥かに高い耐久性
・ガチッとした硬い打球感
・曲げると折れるような硬さ
・ストリングが非常に張りにくい

ポリエステルストリングを製品としてリリースした最初の世代。

それまでナイロンが主流だった中で、ポリエステル素材を採用することで高い耐久性を実現しているのが大きな特徴。

一方で素材はかなり硬く、打球感はガチガチのものでアシストも全然無い・・・という優しくないというのも事実でした。

ストリンギングの際にも、硬くて折れ曲がるようなものが多く、さらにギコギコと擦れる音とがするなど非常に張りにくかったのも特徴でしょう。

新しいコンセプトを体現したポリストリングではあったものの、実用性の低さ・スイッチのしにくさからシェアを広げるというのには繋がりにくかったのかもしれません。

バボラ・ポリモノなど

2000年前後、ポリエステルストリング黎明期に登場した中で有名なのはバリスティック・ポリモノではないでしょうか。

僕も実際に1,2回自分で購入して張ったことがありますが、当時プロスタッフツアー90やダンロップ300Gを使っていたこともあってかなりしんどいストリングでした。

ストリンギングもクロスを通す時に下手くそなヴァイオリンのような音がしたのもこちらのメンタルを削ってきましたね・・・

第2世代:打球感を改善し実用性を向上
(2000〜2005)

・本格的にシェアを獲得した世代
・実用性を改善し使いやすくなった
・打球感の硬さを改善した世代
・バボラやルキシロンが躍進

第1世代ではポリストリング普及とまでは行かなかったのに対し、この第2世代では一気にシェアを拡大。

打球感の硬さ・ストリンギングのしにくさなどを大幅に改善し、実用性が非常に高まったのがこの世代の大きな特徴。

特にローランギャロスではルキシロン勢のクエルテン、フェレーロ、バボラ勢のナダル、プエルタの躍進などもその後の更なるシェア拡大の後押しになったと思います。

特に部活動でテニスをしている学生層にはコスパの良さから一気に使用者が増えたのもこのあたりからだと言えるでしょう。

アルパワーやプロハリケーンが人気を獲得

第2世代で人気だったのがルキシロンのアルパワーやオリジナル、バボラのプロハリケーンやデュララストなどが挙げられます。

※発売は2000年以前のものもありますが、実際に認知され始めた年代で世代を分けているとお考えください。

前世代のポリと比べて打球感は少しマイルドになり、表面の滑りも改善されたことで、ガンガン使ってガンガン張り替えやすくなったのが大きなメリットとして受け入れられ始めるきっかけになったと思います。

第3世代:プラスアルファの機能性を付加
(2005〜2010)

・第2世代にさらに機能性を付加
・形状や素材がさらにプラス
・選択肢が増えてきた世代

第2世代でシェアを拡大し、同じ路線でありつつ選択肢が広がっていったのがこの第3世代と言えるでしょう。

ここでは大きな革新があったというよりも、製品数が増えてきたことで形状や素材などの選択肢が広がったという時代だったと思います。

プロハリケーンツアーなどが登場

この世代ではプロハリケーンツアーが代表作と考えています。

シンプルな丸形だったプロハリケーンを8角形に進化させ、ひっかかりの強さ・弾道の上げやすさをプラス。

これ以外ではポリプラズマなどもシェアを拡大していたタイミングであり、ポリ系の選択肢が非常に広がったのを覚えています。

第4世代:テンション維持性を改善
(2010〜2015)

・テンション維持性にフォーカス
・定番製品が多く登場した世代
・柔らかさとパワーを追求

選択肢が非常に広がったポリエステル系でしたが、テンション維持性・性能維持性の部分での劣化が速いというのが問題点として挙げられることもしばしば。

そんな問題を改善しようという流れが強まったのがこの第4世代で、今も定番として愛されるストリングの多くがこの世代で誕生しました。

柔らかさ・パワー・テンション維持性など、全体的な性能がさらに1段引き上げられたのはこのタイミングだったと思います。

PTプロ、ブラスト、4Gなど今の定番が多く発売される

この世代の代表作としてはポリツアープロ、RPMブラスト、4Gなどが挙げられるでしょう。

今も高い人気を維持している製品たちですが、ポリツアープロは性能バランスに優れたスタンダード、RPMブラストはスピンでの攻撃力を高めた競技者向けポリ、4Gは錦織選手も愛用しテンション維持性を前面に押し出したストリングでした。

それぞれに特徴は打ち出しつつも全体の性能が引き上げられたことが、今でも人気を維持している大きな要因になっているのではないでしょうか。

第5世代:滑りの良さ+形状の多彩さ
(2015〜)

・滑りの良さが向上
・断面形状が幅広く展開
・成熟が進む

第5世代は現在まで続く最新世代で、スナップバックなどを意識した表面の滑りがいいモデルや、スピン性能を追求した多角形ポリなどが増えたのが大きな特徴と言えます。

市場としては熟成期に入っており、ゲージの細分化なども含めて選択肢はとても広くなっています。

G-TOUR3やPTファイア、ハイパーGなどが登場

スナップバックを引き出すタイプとしてはG-TOUR1・3、ポリツアーファイア、ファントムプロ・タッチなどが代表的な製品でしょう。

第4世代と同じく性能のバランスも非常に優れており、実用性の高い製品が多いのも特徴と言えるでしょう。

また今の市場で高い人気を誇っている多角形ポリも多く誕生した世代でもあり、ハイパーGやポリツアーレブ、RPMラフ、エクスプロッシブバイトなどが挙げられます。

これからのポリエステルストリングについて

様々なストリングをインプレしてきて感じるのは、第5世代ポリエステルで性能的にはほぼ成熟期に入ったと感じています。

なので今後第6世代と呼べるようなストリングへの変革が起こるのか?と聞かれるとちょっと怪しいかなと思います。

実際2022年に登場した新しいストリングはアルパワーバイブ、リンクスタッチくらいなもので、ほとんど市場的には変化していないと言えます。

ポリエステル×ポリエステルのハイブリッドが増えるかも

個人的に今後シェアを獲得していくのはポリ×ポリのハイブリッドだと考えています。

単張では出せなかったフィーリング、性能を実現しやすいのが特徴であり、更なる選択肢をプレイヤーにもたらしてくれます。

すでにポリxナイロン、ナイロン×ポリを試したことのある人は多いと思いますが、異素材同士は意外と組み合わせの結果が予測しづらいのが難点。

それと比べるとポリ×ポリは予測がしやすく、大きな失敗をしにくい、多角形+丸などの異形を組み合わせやすいといったメリットもあります。

ぜひ一度ポリxポリのハイブリッドも試してみてください!

まとめ:ポリエステル世代別解説

・ポリの第1〜5世代に分け解説
・各世代ごとに異なる特徴
・年々性能は向上してきている
・選択肢は飛躍的に増えた
・今後はポリxポリハイブリッドか

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