タイプ別:片手打ちバックハンドストローク解説!
Embed from Getty Images今回は片手バックハンドを愛してやまないわたくしTRUEMANが、ATP選手の片手打ちバックハンドを解説!
腕、身体の使い方を3グループに分けて特徴を分析!
①しなやか系片手バック
②剛体系片手バック
③ハイブリッド型片手バック
この3つのグループに分類し、それぞれの片手バックの特徴や身体の使い方などについて深く・分かりやすく解説します。
※厳密には分類しきれない選手も当然いますので、あくまでアドブロ独自+分かりやすさを重視している内容となります。
自分のイメージづくりの参考としてお役立てください!
片手バックってどうしても感覚やイメージが狂いやすい人が多いのではないでしょうか?
自分に近いタイプの選手を見つけたら、ぜひその人の動画や写真を繰り返しチェックしてイメージトレーニングにご活用ください!
①しなやか系片手バックハンド
Embed from Getty Images・腕をムチのように振り抜く
・身体を回す動きは少なめ
・グリップは比較的薄め
・フラット〜スライスが主体
・縦振り要素が強め
・タイミングとバリエーションで展開
・テイクバックはコンパクト
・肘〜手首の動きは大きめ
・ポジションは前寄り
・速いサーフェスで活躍する選手多数
クラシカルで”美しい”フォームなのがこのしなやか系片手バックハンド。
身体の開きは抑え、腕をムチのようにしなやかに大きく上方に振り抜いていくのが大きな特徴ですね!
代表的な選手:フェデラー、ディミトロフ、エバンスなど
特徴:身体を開かず腕をしなやかに使って打つ!
フェデラーなどに代表される“美しい片手打ちバックハンド”、いわゆる伝統的・クラシカルな片手打ちバックハンドを継承しているのがこのグループ。
・打点に視線を残す
・身体の開きを抑える
・両肩のラインより上に振り抜く
フェデラーの動画をみる良く分かるのですが、打点に視線を残すことで身体の開きを抑え、そこから両肩のラインよりも上方に大きく振り抜くのが特徴!
Embed from Getty Imagesテイクバックでは肘は曲がっていて、そこから鞭のようにしなやかな高速スイングで打ち込んでいくタイプです。
ライジング(フリックショット)が上手い選手が多い!
フェデラーやディミトロフが良くベースラインに近いところから、ライジング・・・もはやハーフボレーのようにして片手バックハンドを打っているのもよくハイライトに登場しますよね!
Embed from Getty Imagesグリップが薄めで若干打点を引きつけやすいこと、手首でラケットを返しやすいことなどが、この特殊なショットを可能にしています。
Embed from Getty Imagesまた”クラシカル”な要素をもっているものの、1990〜2000年代の選手と大きく異なるのはフォロースルーのダイナミックさ。
Embed from Getty Images身体は開かず、その分だけしなやかに腕を大きく振り抜くのが現代のしなやか系片手バックハンドの特徴と言えますね。
②剛体系片手バックハンド
Embed from Getty Images・身体を回す動きが大きい
・グリップは厚め
・スピン量のあるショット
・球威でも負けにくい
・肘〜手首の動きは最小限
・ポジションは後ろ寄り
・ハード〜クレーで活躍
片手バックの弱点とされる高い打点、攻撃力を克服したのがこの剛体系の打ち方です。
全身の力をボールにぶつけやすくなったことで、両手バックの選手とも互角以上に打ち合えるようになっています!
代表的な選手:ティーム、ワウリンカ、チェッキナートなど
特徴:身体を大きく回して腕は固めて打ち抜く!
現代を代表する剛体系片手バックハンドを代表するのがドミニク・ティーム。
しなやか系と異なるのは、全身のパワーをボールに打つやすくなることで力強いボールを打ち込んでいけるということ。
Embed from Getty Imagesテイクバックでは肘は伸びていて、手首も固めるような感じになっているのが特徴。
Embed from Getty Images Embed from Getty Imagesそこから勢いよく身体を回し、打点を前にして捉えて横振り気味に大きく振り抜くのが特徴ですね!
ワウリンカもこの剛体系片手バックハンドのひとり。
コンパクトなテイクバックから、身体の力を思いっきりボールにぶつけるように撃ち抜いています。
振り抜きが大きくスピンが多く掛かることから、クレーコートでも活躍している選手に多く見られるタイプの片手バックハンドです。
Embed from Getty Imagesフィニッシュの形が低い位置までおりてくることも多いのがこのタイプの特徴のひとつでもあります。
③ハイブリッド型片手バックハンド
Embed from Getty Images・身体を回す動きは比較的大きい
・グリップは比較的厚め
・スピン量は十分にあるショット
・タッチと球威を両立
・肘〜手首の動きも活用
・ポジションは前寄り
・コートを選ばずに活躍
しなやか系、剛体系の両方の要素を併せ持ち、球威やタッチ・展開力を高い次元でミックスしているのがこのハイブリッド型の片手バックハンド。
代表的な選手:チチパス、シャポバロフ、ムゼッティ
特徴:しなやか系と剛体系の特徴を兼ね備える
ハイブリッド型として分類させてもらったのがチチパスやシャポバロフといった若手選手。
“次世代型“と呼んでも良いかもしれないですね!
チチパス:しなやか系をベースに前で捉える片手バック
Embed from Getty Imagesチチパスの片手バックはしなやか系70%、剛体系30%という感じの打ち方になっています。
テイクバックでは肘や手首は曲がっていてしなやか系ですが、そこから身体をしっかり回してより前(上半身も比較的正面向き)で捉える剛体系のような捉え方をするのが特徴!
Embed from Getty Imagesしなやか系で身体を回していくような打ち方なのでかなりフィジカルが要求される打ち方だと思いますが、193cm/90kgという体格がそれを可能にしています。
シャポバロフ:剛体系の振り抜き+しなやか系の身体の使い方
Embed from Getty Imagesチチパスとは対照的に、剛体系80%、しなやか系20%という感じのバックハンドを打つのがシャポバロフ。
Embed from Getty Imagesテイクバックからフォロースルーまで肘や手首の角度などは変わらない剛体系の打ち方ですが、意外とインパクトの横向き感は残っていてしなやか系っぽい打ち方の要素も入っています。
※もちろん状況によるのであくまでアドブロの解釈になります。
フィニッシュの位置が高いのもしなやか系に近い部分ですね。
そしてシャポバロフの片手バックハンドを唯一無二の存在にしているのがこのジャンピング片手バックハンド。
肩周りの優れた可動域、空中でのバランス感覚、高いハンド・アイコーディネーション能力の全てがあって初めて成功させることの出来るショットです。
ムゼッティ:しなやか系ベースでスピン強化型
Embed from Getty Imagesしなやか系に近い身体の使い方をベースに、打点を前にとって大きく振り抜きスピンの効いたボールを打ち込めるのがムゼッティの片手バックハンドの特徴。
Embed from Getty Imagesタイプとしてはチチパスが1番近いのではないかと思います。
効率の良い身体の使い方、しなやかな腕の使い方が出来るため、スピン系のラリーが主体となるクレーコートで優れた戦績を残す事が出来ています。
(今後はいろんなコートで活躍するはず、と思いますが)
まとめ:片手打ちバックハンド
・片手位バックのイメトレ用に記事化
・3タイプに分類して特徴を解説
・美しさに秀でた”しなやか系”
・振り抜く球威の”剛体系”
・次世代の”ハイブリッド型”