・スペックや形状は前作を踏襲
・PowerLevel850で少し高め
・柔らかくて乗り感も十分
・少し高めの弾道+スピンが軸
・グラファイトらしい使用感
・多角形ポリでスピンを活かす
・2024年7月発売予定
今回インプレするのは新たにTeXtreme x Zylonを搭載した『プリンス・ファントムグラファイト107 2025』です!
ダブルス | ・・○・・ | シングルス |
ボレー | ・・・○・ | ストローク |
低弾道 | ・・・○・ | 高弾道 |
多彩さ | ・○・・・ | 安定性 |
柔らかい | ・○・・・ | 硬い |
スイートエリア 先端寄り | ・・○・・ | スイートエリア 手元寄り |
イージー | ・・○・・ | スパルタン |
スピンの掛けやすさや弾道の上げやすさは十分で、前作にあった食いつきが強すぎて球が出て行きにくい感覚も緩和されて扱い易くなりました。
スピンを活かしたストロークでじっくり組み立てたいベテラン勢にオススメなラケットです!
デザイン的にも過去のグラファイトらしさを復刻、よりクラシカルでシックな雰囲気になったのも好印象!
メリット |
乗る感覚とスピン性能が良好 球離れも若干良くなり快適 スピンの調整しやすい クラシカルなデザイン グロスの美しい塗装 |
デメリット |
面107では飛ばないほう 推進力やスピードは出にくい |
スピンや弾道の調整しやすさはさすがオーバーサイズという感じ。
推進力・スピードという点では物足りない部分もありますが、柔らかい打球感と回転を操って展開する楽しさは欠点を十分に上回っていますね。
【インプレ】
ファントムグラファイト107(2025)
新たにTeXtrem x Zylon(テキストリーム・ザイロン)を搭載したプリンス・ファントムグラファイト107(2025モデル)。
モールドやスペックは前作を踏襲していますが、デザインは過去のグラファイトのデザインを復刻。
黒っぽく見えますが、実際は深緑色という感じです。
グラファイト100と厚みや断面形状などは同じという事もあって、パッと見では面107の大きさを感じさせませんね。
スペック/仕様
モデル名 | ファントム グラファイト107 (2025) |
フェイス サイズ | 107 inch2 |
重量 | 305 g |
バランス | 310 mm |
スイング ウェイト | 290 |
フレーム厚 | Max 21.5mm min 17.5mm |
フレックス | – |
ストリング パターン | 16×19 |
グリップ サイズ | 1,2,3 |
パワー レベル | 850 |
発売予定 | 2024年 7月下旬 |
価格 | 41,800 |
スペックやモールドは前作を踏襲。
面107に16×19を組み合わせた、最大厚21.5mm・最小厚17.5㎜と薄めのフレームになっています。
<パワーレベル>
1100:BEAST MAX
1025:BEAST100/DB100
900:PHANTOM F1
850 : Pグラファイト107
850:TOUR100(310)
825:PHANTOM100 2025
800:PHANTOM O3 100
800:TOUR98
790:Pグラファイト100
770:Pグラファイト97
750:TOUR95
730:Pグラファイト93
プリンス独自の指標であるパワーレベルは850で、同時に発表されたファントムグラファイト100の790やファントム100の800よりも高い数値になっています。
前作グラファイト107のインプレはこちらの記事をチェック。
特徴・コンセプト
伝説のラケット「GRAPHITE」が新素材TeXtreme×ZYLONを纏って現代テニスに対応する超攻撃型ラケットとして登場。
https://princetennis.jp/product/7tj225
21.5-17.5㎜のCTS構造、TeXtreme+ATSが生み出すパワーとスピン。独自のクロスバーが最高のコントロールを可能にする勝つためのラケット。
扱いやすいオーバーサイズでよりコントロールを求めるプレーヤーに!
テキストリームxザイロンが搭載されており、扱いやすさとコントロールが特徴となっています。
またグラファイトには初となるPVS(※正確にはP.V.S Ⅱ)もグリップからシャフトにかけて搭載されているそうです。
ザイロンのメリットや搭載する理由などはこちらの動画で解説しています。
【打球感】
柔らかくてしっかり乗る感触
柔らかさ | 1 | OSらしい柔らかさ |
打ち応え | 0 | 比較的楽に打ち切れる |
スイート エリア | 1 | 広さは十分 |
弾き感 | -1 | ノリ感が強い |
安定感 | 1 | OSでも比較的安定 |
減衰性 | 0 | 振動は気にならない |
快適性 | 1 | 力まずプレー出来る |
今回はエンブレムコントロール(ナイロン)が張ってあるものをテストさせてもらいましたが、面107という事もあり100以上に柔らかさを感じられます。
ストリングのたわみやフェイス部分の柔らかさが強い一方、スロート周辺はクロスバーの効果もあってか安定しています。
少し球離れは良く感じる
ザイロン搭載モデルに共通して感じられるのが、これまで以上にスッキリとした球離れですね。
反発力が強いとか打感が硬いとかっていうのとは違うのですが、前作では中々球が出て行かない感じが強かったのが新型では緩和されているように感じました。
【性能】
回転を操りやすいラケット
ストローク | 1 | スピン系が快適 |
ボレー | 0 | 広いスイートエリアで快適 |
サーブ | 0 | ゆったり振って制御 |
ドライブ | -1 | 推進力が少し出にくい |
トップスピン | 1 | 少し高めの弾道で安定 |
弾道の高さ | 1 | 100よりも高く出る |
スライス | 0 | 乗り過ぎて少し難しい |
パワー | 1 | 少し助けてもらえる感じ |
操作性 | 0 | 問題無し |
振り抜き | 0 | 100には劣るが十分 |
ボールを乗せる感覚とスピンの掛けやすさが組み合わさり、少し高めの弾道をメインに色んな回転量を駆使して組み立てられます。
100よりもバリエーションが出しやすく、前作107よりも少し推進力を出しやすくなったように思います。
【サーブ】
リラックスして良し・回転も良し
サーブを激しく打つことももちろん可能ですが、一般プレイヤーが使うのであればリラックスしてほど良い回転のサーブを軸に組み立てるのが良さげ。
数少ないOS+薄ラケなので、ゆったり振っても乗る感じ・引っ掛かる感じが出てくれるのがメリットですね。
【ストローク】
少し高めの弾道でこそ旨みを発揮
今回はナイロンが張った状態でしたがそれでも少し高めの弾道が出しやすく、回転量を調整して長短やアングルに変化をつけて相手を崩す組み立てがしやすそう。
乗る感覚を活かしたフラットも打てるのですが、スピードや伸びを出すためにはやはりフィジカルや相当なスイングスピードが必要。
スライスは打ちにくいとまではいかないのですが、オーバーサイズ特有の乗り感とスピン性能に慣れるまではちょっと安定しにくかったかもしれません。
【ボレー】
広めのスイートエリアで対応
ボレーにおいてはスイートエリアが広めなので多少外しても何とかなるのが嬉しいところ。
薄ラケに分類されるラケットではあるので、反発力で飛ばすというよりもラケットワークで運ぶような打ち方のほうがボレーが上手くまとまりますね。
【個人的・総合評価】
100よりもグラファイトらしい107
多少セッティングが違うという面はありますが、新型の100と107を比べると107の方がグラファイトらしい使い心地のラケットだなと感じましたね。
しなやかさが生むボールの乗り感、スピンの掛けやすさ、そういった部分で過去のグラファイトを思い起こさせる部分があります。
面100だと同時に発表されたファントム100やO3 100、また他社にも多数のラケットがラインナップされていることもあってグラファイト100は競合が多いですね。
グラファイト107は同じようなスペックのラケットはほぼなく、これじゃなきゃダメっていう1本になる可能性がありますね。
【メリット】
ノリ感と回転系の打ちやすさ
・乗る感覚とスピン性能が良好
・球離れも若干良くなり快適
・スピンの調整しやすい
・クラシカルなデザイン
・グロスの美しい塗装
オーバーサイズのラケットらしい乗り感とスピンの掛けやすさが最大のメリット。
前作と比較して球離れも若干良くなった感じがあり、総合的に使いやすくなっているのも好印象。
そしてグラファイトらしいデザインや塗装も大きな魅力。
【デメリット】
推進力は控えめになりがち
・面107では飛ばないほう
・推進力やスピードは出にくい
面107にしては飛ばないほうだと思いますね。
そもそも面105超でこんなに薄いラケットは現市場にほぼ存在しないので仕方ない部分ではありますが、「面が大きいから楽でしょ!飛ぶでしょ!」っていう過度な期待はNGです。
推進力やスピードは出しにくく、そういった部分を重視するならグラファイト100の方が良いと思います。
実際の打球感や性能をまずは試してみたい!という人はプリンスの有料試打を利用してみて下さい。
相性の良いストリング(ガット)
今回はエンブレムコントロールが張っているデモラケでテストさせてもらい悪くはない印象でしたが、スピンが掛けやすい特性なのを考えるとポリエステル系を合わせたいなと感じます。
スピン性能を引き出しずつスッキリとした飛びを出すならゴーセンのG-SPIN3がオススメ。
6角形断面にシリコンオイルコーティングによる滑りが組み合わさり、ほど良い引っ掛かり感とスムーズなスナップバックで回転を引き出しやすくなるはず。
RPMブラストも性能面ではG-SPIN3と同じようなメリットが期待できるのですが、打球感的には少しカチッとした硬さがプラスされるのである程度手応えが欲しい人にはこちらも有り。
オーバーサイズ+薄ラケの乗り感を活かしつつ薄いグリップでプレーしたいという人は、ポリウレタン系マルチになりますがNRG2を組み合わせてみるのも面白そう。
ポリウレタン系らしい柔らかさや食いつきはありつつも、ある程度の打ち応えや制御しやすさを兼ね備えているのが特徴。
丁寧で大きなスイングで相手を翻弄するクレバーなテニスと相性が良さそうです。
・食いつき+スピンのフレーム
・ポリ系ならスピン性能が活かせる
・G-SPIN3でスッキリスピン掛ける
・ブラストならスピン+手応え
・NRG2で高精度なコントロール
ライバルラケットの比較
競技者向けオーバーサイズという意味ではダンロップのCX200 OS、ヨネックスのパーセプト104の2本が主なライバルとして挙げられます。
オーバーサイズらしいフィーリングと、自然なしなり感を重視する人はCX200 OSもオススメ。
フラットビーム+ボックス形状になっていること、クロスバーの無いスタンダードな形状になっていることで、グラファイト107とはまた違ったフィーリングを味わうことが出来ます。
クラシカルなフィーリング+デザインを重視するならグラファイト107を選ぶかな?という感じ。
重量が290gと軽めで操作性が高く、しなやかでありながらも比較的アシストを感じられるのもパーセプトのメリット。
同じオーバーサイズでもアシスト感やカスタム性ならパーセプト、ガンガン打っていきたいならグラファイトですね。
その他のラケットインプレはこちらの一覧からチェックしてください。
【発売日】
2024年7月予定
公式のHPによると新型ファントムグラファイトの発売予定日は2024年7月下旬となっています。
ただラフィノさんのインプレ動画では2024年7月7日発売と言われているので、実際には少し早めの発売となりそうです。