今回インプレするのはAUXETIC2.0にアップデートされた『ヘッド・スピードMP2024』です!
ダブルス | ・・・○・ | シングルス |
ボレー | ・・・○・ | ストローク |
低弾道 | ・○・・・ | 高弾道 |
多彩さ | ・・・○・ | 安定性 |
柔らかい | ・○・・・ | 硬い |
スイートエリア 先端寄り | ・・○・・ | スイートエリア 手元寄り |
イージー | ・・・○・ | スパルタン |
食いつく感触を活かして直線的なストロークを打ち込んでい行きたい人向けのラケットです!
フレームは前作よりもしなやかになった一方、重さやスイングウェイトなどは前作よりも増加した事でパワーを補っているというのが最大の変化。
メリット |
柔らかい打球感で快適 フルスイングしても暴れない 前作以上の食いつき 独特の質感の塗装 |
デメリット |
インパクトでの手応えは重め ある程度フィジカルが必要 |
ヘッド・スピードMP 2024
(HEAD SPEED MP)
AUXETIC2.0を搭載、デザインもアップデートされたスピードMP 2024年モデル。
今回のスピードシリーズは特殊な塗装を採用しており、ウイルソンのベルベットコーティングに近いしっとりとした手触りになっています。
スペック/仕様
モデル名 | SPEED MP 2024 |
フェイス サイズ | 100 inch2 |
重量 | 300 g |
バランス | 320 mm |
スイング ウェイト | – |
フレーム厚 | 23 mm 均一 |
フレックス | – |
ストリング パターン | 16×19 |
グリップサイズ | 2,3 |
発売予定 | 2024年1月 |
価格 | 39,600 |
スペックやモールドに変更はありません。
スペック上は23㎜フラットビームですが、実際に計測をしてみるとスロートの根本部分は少し薄くなっていました。
正面厚は11㎜前後の部分が多く、プロスタッフやピュアストライクが10㎜程度なのを考えると若干ですが肉厚な印象。
実測値:前作よりもしなやかで少し重め
モデル | 新 2024 | 旧 2022 |
重量 | 303 | ①296 ②294 |
バランス | 322 | ①323 ②315 |
スイング ウェイト | 292 | ①288 ②279 |
RA値 | 60 | ①64 ②62 |
ライズテニスサービスさんで計測をして頂いた数値は上記の通り。
新型は重さやスイングウェイトが増加した一方でRA値は下がっています。
よりしなやかなフレームになり、それによっておこるパワーロスを重みで補うという狙いなのかもしれませんね。
インプレ:しなやかさと手応えがアップ
・柔らかくしなやかな打球感
・手応えは結構重い
・ストロークでしっかり打つラケット
・全体の性能バランスは良い
・アシストは控えめ
・目立つところはない
動画でもインプレしていますのでぜひチェックを!
打球感:柔らかくてマイルド
柔らかさ | 1 | かなり柔らかい |
打ち応え 手応え | 1 | 手応えが重くなった |
スイート エリア | 0 | 面100の標準レベル |
弾き感 | -1 | 食いつきが強い |
安定感 | 1 | 重みで少し安定 |
減衰性 | 1 | 十分なレベル |
快適性 | 1 | 比較的良好 |
RA60ということもあってか打球感はかなりしなやかで柔らかめ。
減衰性も良いので振動止めは無しでも問題ありません。
G-TOUR3 1.23mmを張った状態だと手応えは少し重ためであり、しっかり振り抜くには意外とフィジカルが必要ですね。
性能:全体のバランスは良い
ストローク | 1 | しっかり打ち抜ける |
ボレー | 0 | 受け止める感覚は強い |
サーブ | 0 | プレイヤー次第 |
トップスピン | 0 | 意外と控えめ |
ドライブ | 1 | 厚く捉える感覚が◎ |
フラット | 0 | もう少しRAが欲しい |
スライス | -1 | 乗るけどアシスト少 |
弾道の高さ | -1 | 意外と低めに出る |
球威 | 1 | 打ち抜けば伸びる |
アシスト | -1 | 控えめ |
操作性 | 0 | 特に問題はない |
振り抜き | 1 | 良好 |
性能的には全体のバランスが良いのが特徴で、大きな欠点が無いラケットです。
特にストロークを軸に組み立てる人には安心して打って行ける感じが強くなったと思います。
ただアシストは控えめになっており、しっかり振れる人じゃないと全体的に伸びの無いショットになるリスクもありますね。
個人的・総合評価
「どういうラケットなのか?」っていうのを言語化するのが凄く難しいラケットでした。
初期モデルは薄いフレームによる圧倒的な振り抜き、22㎜フラットになってからは少し硬めの打球感が生み出すシャープさが特徴となり”スピード”というモデル名を体現する使用感でした。
ただ現行モデルは数値的にもRA60とかなりしなやかで、23㎜フラットとは思えない食いつきの強さがありました。
それゆえに僕のパワーではテンポを上げて打つのが難しく感じ、自然とポジションを下げて時間を作って溜めて打つような意識が強くなってしまいました。
果たしてそれはスピードなのか・・・という気持ちが残るインプレとなってしまいました。
相性の良いストリング・ガットは?
今回はG-TOUR3を張りましたが、フレームとの相性は良いと思います。
柔らかめの打球感と性能バランスの良さがより引き立てることが出来、オールラウンドにプレーしたい人にはオススメ。
ただRA60とかなりしなやかなフレームので、ダイレクトな感触や球威を求める人にはG-TOUR1やファントムプロ、アルパワーなどのある程度硬さのあるストリングで剛性をプラスした方が良いかもしれません。
前作スピードMPと比較すると?
柔らかさ | 新>旧 |
打ち応え | 新>旧 |
反発 | 新<旧 |
アシスト | 新<旧 |
球威 | 新≒旧 |
安定性 | 新≧旧 |
新旧を同じスペック・同じストリングに揃えて打ち比べてみた時の評価は上記の通り。
新型の方が柔らかく打ち応えがあり、反対に旧型の方が軽やかでアシストが感じやすかったです。
ノーマルの状態だと旧型は軽い個体が多いので、もしも新旧をノーマルのまま比較したら新型の方が柔らかくてパワーが出ると感じる人が多いかもしれません。
個人的には旧型の使用感の方が好みですし、性能としてもそこまで大きな差があるワケではない(※加重してしまえばOK)ので、無理して新型を買わなくても良いのかなと感じました。
SPEED MP2022年モデルについてはこちらの記事でインプレしています。
ライバル比較
ライバルモデル
・パーセプト100
・CX400TOUR
・ピュアストライク100
・X100TOUR
・BLADE100v9
・Ki Q+5 ver.21 など
ライバルとしては上記のような面100+300g+厚さ23mm以下のモデル達になってきます。
同等スペックのラケットは複数ありますが、個人的にフィーリングが一番近く感じたのはピュアストライク100(2024)ですね。
どちらも23㎜という厚み(※ピュアストは21-23-21mm)があるのにしっとり+食いつくフィーリングが強めになっています。
個人的にはスピードの方が僅かにしっとり感が強め、ピュアスト100の方が僅かに安定性が高めといった印象です。
同等スペックであるパーセプト100も有力なライバル候補ではあるのですが、アイソメトリック形状であること、もう少し軽快な飛び感があるという点で全体的な使用感には意外と差が生まれています。