・300g/315gの2機種がモデルチェンジ
・ザイロン(Zylon)を新たに搭載
・前作以上に柔らかく減衰性も高い
・低めの弾道で推進力良好
・細ゲージが相性良し
・2025年6月下旬発売予定
今回インプレするのはプリンスの新作ラケット『ファントムグラファイト97 2025』です!

新たにザイロンを搭載し、前作以上にしっとりしたフィーリングと減衰性、そしてグラファイトらしい安定性を高い次元で両立したラケットになっています。
メリット |
しっとりとしたフィーリング 前作以上の減衰性 柔らかいのにブレないフレーム ドライブとフラットが打ちやすい |
デメリット |
高めの弾道とスピンは不向き やや男性向けな配色 |
ファントムグラファイト97
(PHANTOM GRAPHITE97)


今回は新型ファントムグラファイト97 2025年モデルをインプレッション。


今回も300gと315gの2スペックがリリースされます。


デザインはどちらも共通しており、グラファイトらしい深緑色+グロス塗装で非常に高級感のある仕上がりになっています。

外観では300gも315gもほとんど見分けはつかないのですが、シャフトの内側に重量が記載されています。
スペック/仕様

スペック | 97 315g | 97 300g |
フェイス サイズ | 97inch2 | 97inch2 |
重量 | 315g | 300g |
バランス | 305mm | 320mm |
スイング ウェイト | 290 | 285 |
フレーム 厚さ | 22.5 21.5 18.5 | 22.5 21.5 18.5 |
長さ | 27 | 27 |
ストリング パターン | 16 19 | 16 19 |
グリップ サイズ | 2 3 | 2 3 |
パワー レベル | 780 (前作770) | 780 (前作770) |
発売予定 | 2025年 6月下旬 | 2025年 6月下旬 |
価格 | 税込 41800 | 税込 41800 |
今回も300gと315gの2機種がリリース、スペック的には前作から変更された点はありません。
<パワーレベル>
1100:BEAST MAX
1025:BEAST100/DB100
900:PHANTOM F1
850:TOUR100(310)
825:PHANTOM100
800:TOUR98
790:グラファイト100
780:新型グラファイト97(2025)
770:グラファイト97(2021)
750:TOUR95
730:グラファイト93
ただプリンス独自の指標であるパワーレベルは変更されており、前作の770から780へと僅かに引き上げられています。
想像するに剛性の高いザイロン搭載によって、スペックは変わらないもののラケット自体のパワーはやや向上しているということを表しているのではないかと思います。
特徴・コンセプト
PHANTOM GRAPHITE 97に待望の最高級カーボン素材TeXtreme x ZYLON+ATSを搭載。パワーとコントロールが大幅に向上。
https://princetennis.jp/product/7tj247
今回のモデルチェンジにおける最大の変更点がザイロン(Zylon)xテキストリーム(TeXtreme)を搭載していること。

2024年のファントムやグラファイトから搭載されいてるこのザイロンですが、剛性が非常に高い素材で単純に入れただけでは硬い打球感になってしまいがちとのこと。
しかしプリンスはザイロンを上手く配置することにより、しなやかさを引き出しつつも捻じれない安定性を実現。

それがグラファイトにおけるパワーとコントロールを向上させる要素となっています。
【打球感】
前作以上に柔らかく
減衰性も高い
スペック | 315g | 300g |
柔らかさ | 2 | 1 |
打ち応え | 1 | 1 |
スイート エリア | 0 | 0 |
弾き感 | -1 | 0 |
安定感 | 1 | 1 |
減衰性 | 1 | 1 |
快適性 | 1 | 1 |
今回はファントムタッチ18(1.19mm)を48ポンドで張られたものをテスト。
打球感は315g・300gともにフレームはしなやかで、ゆっくりとしたスイングであってもボールが乗る感触・押せる感覚が強いのが良く分かりますね。
315gのほうが重みによって僅かにですがしっとり感が強めの印象でした。
しなるけれどブレ感は皆無
クロスバーによってしなりは大きいのにブレないというのが長い歴史を持つグラファイトらしさの一要素なんですが、ザイロンを搭載したことによってその特徴がより分かりやすくなっていると感じました。
しなりが強く柔らかい打球感でありつつも、スピンを掛けるようなスイングをした時には捻じれにくくパワーロスしない安定性を実現しています。
前作以上に柔らかく減衰性は高い
全く同じセッティングの前作(2021年モデル)と打ち比べをしたのですが、新型のほうが打感が柔らかく減衰性も向上。
手に伝わる振動は新型の方が明らかに少なく快適性も上。
旧型に持ち替えるとやや雑な振動が多く感じる(※とは言え旧型も減衰性は良いほう)ほどで、新型が近年のトレンドである減衰性をしっかり追及してきたと言えそうです。
【性能】
フラットからドライブが
気持ち良く打ち抜ける
スペック | 315g | 300g |
ストローク | 1 | 2 |
ボレー | 0 | 1 |
サーブ | 0 | 0 |
ドライブ | 2 | 1 |
トップスピン | 0 | 1 |
弾道の高さ | -2 | -1 |
スライス | 1 | 0 |
パワー | 0 | 0 |
操作性 | 0 | 1 |
振り抜き | 1 | 2 |
グラファイトシリーズの中でも強い推進力を引き出しやすいのが特徴。
315gのほうが低弾道でフラット気味のショットが打ちやすく、300gのほうが弾道やスピンの調整力が高くオールラウンド寄りという感じになっています。
クラシカルではあるが
実用性は担保されている
ボックス系らしい柔らかい打球感ではあるのですが、実戦で打ち合う・展開する実用性もある程度ありますね。
基本的にはフラット~ドライブの推進力で相手を押し込むようなストロークが軸になって組み立てるラケットかとは思いますが、タッチ系のショットでペースを変えたりサーブ&ボレーで攻めるというプレーにもある程度対応可能。
クラシカルだけれど実用性は担保されてる、そんなラケットに仕上がっています。
【メリット】
柔らかいのにブレない安定性
・しなやかな打球感
・前作以上の減衰性の高さ
・柔らかいのにブレない
・グロス仕上げの塗装
ザイロン搭載モデルとなって柔らかく快適なフィーリングを実現しつつ、ブレずに安定した使用感も両立しているのがグラファイトの凄いところ。
ザイロンによってしっかり感もプラスされているため、他人によっては前作以上にパワーロスが少なくなったように感じる人もいることでしょう。
また前作97の300gはマット仕上げだったのですが、新作はグロス仕上げになったことで質感は大幅アップグレード。
【デメリット】
性能自体の変化は少ない
・性能的な変化は少ない
・配色は好き嫌いが分かれる
しなやかさや減衰性は高めつつ性能はスポイルされていないっていうだけでも実質プラスだとは思いますが、もっと尖った性能的変化があっても良かったなぁと個人的には思いますね。
過去のグラファイトを知る人からするとグッとくる配色になっているとは思いますが、逆にグラファイトに対する思い入れがない人からするとやや男性的な色味があまり好みではない・・・という意見もありましたね。
相性の良いストリング(ガット)
フレーム自体がしっとり+しなやかな打球感を持っているので、このフィーリングを邪魔せずある程度のアシストをしてくれるようなストリングが合うはず。
テスト時に使ったファントムタッチ18はフィーリング的な相性が良く、柔らかさやホールド感を引き出しつつ打感が重くなり過ぎず快適。
同じプリンスのポリになりますがTOUR XT18も組み合わせたら面白そうな1張りで、ファントムタッチよりもカッチリしていてスピードを引き出しやすいのが特徴。
単価を下げつつ柔らかいフィーリングをプラスしたいならブラックヴェノムも良さげです。
ライバル比較
【ライバルラケット】
・ピュアストライク97
・プロスタッフ97
・パーセプト97
・TR960 Control Tour など
同じフェイスサイズ97平方インチはピュアストやプロスタッフなどがありますが、今の市場の中ではレアな存在となりつつあります。
グラファイト97のアドバンテージ

グラファイト97のアドバンテージは柔らかい打感とブレの少なさのバランスですね。
プロスタッフはもう少しカッチリ感や反発力重視、ピュアスト97はもっとフラット/ハードヒッター向けな味付け、パーセプトはコントロールは良いけれど全体的に大人しい・・・という感じなので、グラファイト97とキャラ被りするようなラケットはほぼ存在しないと言っても良いかもしれません。
発売予定:2025年6月下旬
新型グラファイト97は2025年6月下旬に発売予定となっています。
ファントム100の欠品が続いたのと同様、ファントムグラファイトも製造本数はそれほど多くはないはずなので確実にゲットしたい人は予約推奨です。
ラケットバッグも要チェック
プリンスからはディズニーデザインのスリングバッグ(ラケットケース)も販売されています。
標準でブラックのスリングバッグが付属していますが、もっと遊び心のあるデザインのバッグが欲しいという人にもオススメです。
まとめ
・300g/315gの2機種がモデルチェンジ
・ザイロン(Zylon)を新たに搭載
・前作以上に柔らかく減衰性も高い
・低めの弾道で推進力良好
・細ゲージが相性良し
・2025年6月下旬発売予定