今回インプレするのは新たにTeXtreme x Zylonを搭載した『プリンス・ファントムO3 100 2025』です!
ダブルス | ・・・○・ | シングルス |
ボレー | ・・○・・ | ストローク |
低弾道 | ・・○・・ | 高弾道 |
多彩さ | ・・○・・ | 安定性 |
柔らかい | ・○・・・ | 硬い |
スイートエリア 先端寄り | ・○・・・ | スイートエリア 手元寄り |
イージー | ・・・○・ | スパルタン |
ホールド感が強く振り抜きの良さも抜群で、安定したスピン系のショットを可能にするラケットに仕上がっています。
通常の100よりも自分の力で飛ばす感覚は強めになりますが、特にストロークをしっかり振り抜いて行きたい人にピッタリなラケットです。
メリット |
前作以上のホールド感 フルスイングしても安定 振り抜きの良さは異次元 スピン量も出しやすい |
デメリット |
自分の力で飛ばすモデル スピン過多で浅くなりがち 手応えは若干重め |
【インプレ】
ファントム O3 100(2025)
新たにTeXtrem x Zylon(テキストリーム・ザイロン)を搭載したプリンス・ファントムオースリー100(2025モデル)。
モールドやスペックは前作を踏襲していますが、デザインはより鮮やかな青系へと変化しています。
通常のファントム100と同じ色らしいのですが、構造の違いなのかO3のほうがより明るい青に見えます。
スペック/仕様
モデル名 | PHANTOM O3 100 (2025) |
フェイス サイズ | 100 inch2 |
重量 | 310 g |
バランス | 310 mm |
スイング ウェイト | 290 |
フレーム厚 | Max 20mm min 16.5mm |
フレックス | – |
ストリング パターン | 16×18 |
グリップ サイズ | 2,3 |
パワー レベル | 800 |
発売予定 | 2024年 9月下旬 |
価格 | 39,600 |
スペックやモールドは前作を踏襲しており、特に変化した部分はありません。
ファントムO3は最大厚20㎜、最小厚16.5mmという非常に薄いフレームになっています。
実測値:RA55は初代クラッシュ並み
ライズテニスサービスさんで実際のスペックを計測して頂きました。
(※ファントムプロ17を張った状態で計測)
重量 | 329g |
バランス | 327mm |
スイング ウェイト | 331 |
RA | 55 |
RA値は55と非常に低く、極めてしなり感の強かった初代クラッシュ100と同等の数値となっています。
スイングウェイトは推定300ほどになっていて、しなやかなフレームのパワーロスを補うという意図があるのではないかと思われます。
特徴・コンセプト
テキストリームテクノロジーを象徴する最薄部16.5㎜シャフトの競技系モデル。
https://princetennis.jp/product/7tj231
TeXtreme x ZYLONをシャフト部とフェイスの2時と10時の部分に搭載することで、薄型フレームなのに、パワフルショットを実現。
高速スウィングがしやすく掴んで飛ぶ感触が特長。
シャフト部分は16.5mmと非常に薄くなっていることもあり、高速スイングのしやすさと掴み感が特徴となっています。
<パワーレベル>
1100:BEAST MAX
1025:BEAST100/DB100
900:PHANTOM F1
850:TOUR100(310)
825:PHANTOM100 2025
800:PHANTOM O3 100
TOUR98
790:Pグラファイト100
770:Pグラファイト97
750:TOUR95
730:Pグラファイト93
プリンス独自の指標であるパワーレベルは800で、通常のファントム100の825よりも低めの数値となっています。
ザイロンのメリットや搭載する理由などはこちらの動画で解説しています。
O3非搭載、トラディショナルタイプのファントム100はこちらの記事でインプレしています。
【打球感】
強いホールド感と手応え
柔らかさ | 1 | 強い食いつき感 |
打ち応え | 1 | ファントム100同等 |
スイート エリア | 1 | 十分広い |
弾き感 | -1 | ホールド感強い |
安定感 | 1 | 飛距離は安定しやすい |
減衰性 | 0 | 振動止めは不要 |
快適性 | 0 | ある程度筋力必要 |
ファントム100(※O3非搭載)よりもホールド感が強く、想像以上に柔らかい打球感になっていました。(ファントムプロ17張り上げ)
O3によってストリングのたわみが出やすいのに加えフレーム自体のテイストもマイルドさがプラスされたことで、ボールが乗る感触を十二分に得ることが出来ます。
前作以上のホールド感
前作インプレ時と比較すると新型の方がしっとりした感触があり、ホールド感もより強化されています。
前作はフレーム自体はガッシリ安定させてストリングだけ可動するっていうイメージでしたが、新型はストリングとフレームの両方でボールを捕まえてくれる感じ。
シャープな球離れや反発力という点ではマイナスの側面もありますが、O3が生み出すホールド感を存分に味わえるので過去作を使っている人にとってはプラス面の方が大きいのではと予想しています。
【性能】
高いスピン性能と振り抜き
ストローク | 1 | スピンで対応しやすい |
ボレー | 0 | 安定した感触 |
サーブ | 1 | 振り抜き易い |
ドライブ | 0 | 少し回転過多気味 |
トップスピン | 1 | 自然とスピン掛かる |
弾道の高さ | 0 | 無印100より少し高い |
スライス | -1 | カットしてしまいがち |
パワー | -1 | フィジカルは求められる |
操作性 | 0 | 310gにしては良い |
振り抜き | 2 | 空気抵抗の圧倒的少なさ |
20~16.5㎜ととても薄いフレームにO3を組み合わせることで空気抵抗の少なさは異次元レベル。
速いスイングスピード+ホールド感を活かして、スピン系ストロークを安定して打ち込んで行けるのが最大の特徴ですね。
【サーブ】
振り抜きの良さを活かす
サーブでも非常に振り抜きは良好で、通常のファントム100と比べて回転系のサーブでもラケットの良さを感じやすいですね。
【ストローク】
回転を掛けつつコントロール
フレーム側面のO3ポートは振り上げるようなスイングを自動的にガイドしてくれる感覚があり、あまり考えなくてもスピンの効いたストロークを打ち込むことが可能。
ホールド感はあるのですがフレーム自体はしっかりしていて、僕くらいのフィジカルやスイングスピードならラケットがブレたりパワーロスする感覚はほとんどありませんでした。
ただアシスト自体は控えめなのに加え意識しなくてもスピンが掛かるので、振り抜きが甘いと着弾点が浅くなって相手の打ちごろのショットになりやすいのは要注意。
スライスでも空気抵抗が少なすぎてついつい振り下ろす(カットする)ようなスイングになってしまいがちで、慣れないと回転ばかりかかった伸びないショットになってしまうかも。
スピンにしろスライスにしろ、ある程度厚い当たりでしっかり打ち抜くのが大事になりそうです。
【ボレー】
意外と押して運んで飛ばせる
ボレーのようなコンパクトなスイングでもボールの食いつきは十分で、乗せる・運ぶ・押すという感覚で打つことが出来ました。
ただ厚ラケのような”セットさえすればなんとかなる”という感じのプレーは難しいので、自分の力をボールに伝えられる技術は最低限必要になりますね。
【個人的・総合評価】
フレームもストリングも掴む感覚あり
前作以上にしなやかさ・マイルドさが出ていて、O3構造が生み出すホールド感を更に強化しているのがハッキリと感じ取れました。
ホールド感+異次元の振り抜き+スピン性能によって、特にトップスピン系のストロークでこのラケットの強みが活かされると思います。
ただ僕の筋力・体力ではスピンにエネルギーを食われ過ぎて、着弾点が浅くなってしまったり推進力のあまりないショットになってしまうこともしばしば。
ただ「どう使えば良いんだろう?」と困惑する感じではなくて、「もっともっと強く打てば良いんだよね!」ってハッキリ分かるので沼る雰囲気は皆無。
しっかり振ってしっかり打てば良い、あとのことはラケットがやってくれます・・・そんな感じでした。
【メリット】
振り抜きの良さとスピン性能
・前作以上のホールド感
・フルスイングしても安定
・振り抜きの良さは異次元
・スピン量も出しやすい
前作以上のホールド感があり、その感触がスピン性能や安定感にもプラスに作用しています。
自然と振り上げるようなスイングが導かれる感覚があり、ストロークをガンガン打ち込んで行きたい人には最高の1本になるかもしれません。
【デメリット】
スピン掛かり過ぎて浅くなる
・自分の力で飛ばすモデル
・スピン過多で浅くなりがち
・手応えは若干重め
ラケット自体のアシストは控えめなので、自分の力で飛ばす必要があることを理解しておく必要はありそうです。
ホールド感の強さ、振り抜きの良さなど、自動的にスピンが掛かるだけにショットが浅くなってしまうこともしばしば。
またテキストリームxザイロンもスイングの速さや種類によっては硬く感じる可能性もあり、不安な人はプリンスの有料試打でじっくり味見してみるのがオススメです。
相性の良いストリング(ガット)
正直に言って今回のザイロン搭載6機種の中でもセッティングに迷いそうなのがこのファントムO3ですね。
フレームのしなやかさ+O3によるストリングのたわみ量が大きく、そこでのパワーロスを上手く抑えたり補ったりするストリング選びが必要になります。
ファントムプロも相性は悪くないもの、もう少しアシストが欲しいなと感じたのでポリツアーファイアでスッキリ飛ばすのもありかなと。
滑りのの良さを弾きの良さがあり、比較的軽めの手応えでスピードを楽に出せるようになると思います。
ナイロンとしては珍しい多角形を採用しているアスタリスタ・アーマードも、アシストと引っ掛かり感のバランスがプラスに作用してくれるかも。
逆に全然飛ばなくても良いから食いつく感触・乗る感触を最大化して活かしたいっていうフィジカルモンスターの方には、アイスコードやホークタッチもありかも。
食いつきや乗りをしっかり感じ取りながらフルスイングして叩き込むというスタイルにフィットするはず。
・セッティングは少し悩みそう
・しなやかで推進力が控えめ
・PTファイアでスッキリ飛ばす
・アーマードも面白そう
・食いつきをプラスして強打
ライバルラケットの比較
ライバルラケットを色々と考えてはみたのですが、正直に言ってライバルと呼べるようなラケットはいないかもしれません。笑
そのくらい独自性・個性が強いモデルであり(※かと言って使いにくいとかではないのが良い所)、これじゃなきゃダメ!っていう人がいるのも納得のラケットですね。
トラディショナルと比べても打てる人向け
ファントム100とO3 100を比べると、O3タイプの方が自分の力でボールを飛ばす感覚が強くなります。
RA値はファントム100が58、O3が55なのでその差が出ているんだと思います。
一般プレイヤーだとO3はブン回すくらいの気持ちで打ってもコートに収まるような感じになってしまうんじゃないかなと。
実用性ならファントム100、食いつきの良さを重視するならO3という選び方がオススメ。
【発売日】
2024年9月予定
公式のHPによると新型ファントムの発売予定日は2024年9月下旬となっています。
ただラフィノさんのインプレ動画では2024年9月6日発売と言われているので、実際には少し早めの発売となりそうです。
前作も初動はかなり好調だったことに加え、おそらく生産数はそれほど多いモデルではないと思われるので、最速で手に入れたい人は予約をしておいた方が良さそうです。