・スペックや形状は前作を踏襲
・パワーレベル790はファントムより低い
・柔らかいけど球離れはスムーズ
・低めの弾道でしっかり打ち込める
・とにかくデザインと塗装が秀逸
・ハイパーGやEXバイトも面白そう
・2024年7月発売予定
今回インプレするのは新たにTeXtreme x Zylonを搭載した『プリンス・ファントムグラファイト100 2025』です!
ダブルス | ・○・・・ | シングルス |
ボレー | ・・○・・ | ストローク |
低弾道 | ・○・・・ | 高弾道 |
多彩さ | ・・・○・ | 安定性 |
柔らかい | ・○・・・ | 硬い |
スイートエリア 先端寄り | ・・○・・ | スイートエリア 手元寄り |
イージー | ・・○・・ | スパルタン |
基本的な性能や特性はほぼ前作通りですが、フィーリング的に安定性やシャープさがプラスされた感じですね!
デザイン的にも過去のグラファイトらしさを復刻、よりクラシカルでシックな雰囲気になったのも好印象!
メリット |
柔らかさとブレなさのバランス クラシカルなデザイン グロスの美しい塗装 前作から移行はしやすい |
デメリット |
アシストは控えめ 意外と弾道上がらない 人によっては硬く感じる |
今作は意外と弾道は低めに出やすく、強打してもブレずにまとめやすいのがメリットですね!
【インプレ】
ファントムグラファイト100(2025)
新たにTeXtrem x Zylon(テキストリーム・ザイロン)を搭載したプリンス・ファントムグラファイト100(2025モデル)。
モールドやスペックは前作を踏襲していますが、デザインは過去のグラファイトのデザインを復刻。
黒っぽく見えますが、実際は深緑色という感じです。
光の当たり方や環境によって見え方が大きく異なります。
スペック/仕様
モデル名 | ファントム グラファイト100 (2025) |
フェイス サイズ | 100 inch2 |
重量 | 310 g |
バランス | 310 mm |
スイング ウェイト | 290 |
フレーム厚 | Max 21.5mm min 17.5mm |
フレックス | – |
ストリング パターン | 16×18 |
グリップ サイズ | 2,3 |
パワー レベル | 790 |
発売予定 | 2024年 7月下旬 |
価格 | 41,800 |
スペックやモールドは前作から変更はありません。
面100に16×18の粗目のパターン、フレームはトップにかけて直線的に厚くなるCTSを採用。
それでも最大厚21.5mm、最小厚17.5㎜と薄めのフレームになっています。
<パワーレベル>
1100:BEAST MAX
1025:BEAST100/DB100
900:PHANTOM F1
850 : Pグラファイト107
850:TOUR100(310)
825:PHANTOM100 2025
800:PHANTOM O3 100
800:TOUR98
790:Pグラファイト100
770:Pグラファイト97
750:TOUR95
730:Pグラファイト93
プリンス独自の指標であるパワーレベルは790で、同時に発表されたファントム100の800やファントムO3の825よりも僅かに低い数値になっています。
前作グラファイト100のインプレはこちらの記事をチェック。
特徴・コンセプト
伝説のラケット「GRAPHITE」が新素材TeXtreme×ZYLONを纏って現代テニスに対応する超攻撃型ラケットとして登場。
https://princetennis.jp/product/7tj226
21.5-17.5㎜のCTS構造、TeXtreme+ATSが生み出すパワーとスピン。独自のクロスバーが最高のコントロールを可能にする勝つためのラケット。
よりコントロールを求めるプレーヤーに!
今回のグラファイト最大の変更点はテキストリームxザイロンが搭載されたことで、今まで以上のパワーを実現するラケットとされています。
またグラファイトには初となるPVS(※正確にはP.V.S Ⅱ)もグリップからシャフトにかけて搭載されているそうです。
ザイロンのメリットや搭載する理由などはこちらの動画で解説しています。
【打球感】
柔らかいがブレにくい
柔らかさ | 1 | ほど良く柔らかい |
打ち応え | 1 | 比較的手応えはある |
スイート エリア | 0 | 平均か僅かに狭め |
弾き感 | -1 | 反発はあまり感じない |
安定感 | 1 | クロスバー効果抜群 |
減衰性 | 0 | ほど良く吸収 |
快適性 | 0 | ツラくはないレベル |
グラファイトらしいしなやかで柔らかい打球感は残っていますが、新型になってシャープさや乾いた感触が若干プラスされたように感じました。
前作の方がしっとりした重みのある打感だったのですが、新型の方が少しだけ手応えも軽くて実戦で使うならメリットになりそうです。
前作よりカラッとしてシャープ?
今回はツアーXXスピンを張っているデモラケを使わせてもらったのですが、ホールド感が強いポリストリングにも関わらず球離れの良さを結構感じました。
僕の感覚では新旧で打感の柔らかさに極端な変化は感じず、少しだけ乾いた感触や球離れのスムーズさがプラスされたっていう印象ですね。
ただ試打会に行った友人(グリップ薄め、フラット系主体)は硬く感じたそうなので、ザイロンが入ったことで前作以上の剛性で硬く感じる人も一定数いるのかもしれません。
【性能】
ショットをまとめやすい面100
ストローク | 1 | 意外とフラット系 |
ボレー | 1 | ほど良いシャープさ |
サーブ | 0 | スイングはしやすい |
ドライブ | 1 | 球を乗せて打ち込める |
トップスピン | 0 | 必要十分なレベル |
弾道の高さ | -1 | 想像よりも低めに出る |
スライス | 0 | 乗るけど筋力は必要 |
パワー | 0 | 自分で飛ばす必要あり |
操作性 | -1 | ゆったり振る方が〇 |
振り抜き | 1 | 空気抵抗は少なめ |
性能的には尖った所はなく、パワーも控えめではあるものの全体的にバランスの良いラケット。
丸みのあるフェイスに16x18のパターンがですが、意外と弾道が低く直線的なショットの方が打ちやすく感じました。
しっかり振り切って強打をコントロールする、そんな使い方の方がラケットの良さを感じやすいと思います。
【サーブ】
無難だけどフィジカルは必要
フラット系もスピン系も問題無く打てるのですが、基本的には使い手にフィジカルが必要という感じのラケット。
ラケット自体が何かやってくれるタイプでは当然ないので、しっかり振り切れる体力・技術を求められるところはあると思います。
ただBLADE98やCX200のような面98の薄ラケに比べると、グラファイト100の方がスピンは掛けやすいですね。
【ストローク】
意外と低めの弾道で打つ方が良い
グラファイトと言えばスピン系ストロークのためのラケットというイメージでしたが、新型グラファイト100は意外と弾道が低めに出やすい印象でした。
フレームのしなやかさと剛性のバランスが良いので、フラット気味に叩いて速いショットをコントロールするという使い方のほうがラケットの旨味が出ると思います。
片手バックは中々難しくて、コンスタントに厚い当たりで打ち抜く必要があります。
スライスに関してはプレイヤーのスキルがそのままショットに反映されます。
アシストは少ないのでディフェンシブな状況でのスライスは結構ツラいですね。
【ボレー】
安定性があり抑えが効く
新型グラファイト100はボレーがしやすく感じました。
ストローク同様にラケットが何かをしてくれるワケではないのですが、しっかりと球が乗るので自分の力感で飛びを調整しやすいですね。
いわゆるクラシカルな薄ラケに慣れている人ならかなり使いやすく感じるはず。
【個人的・総合評価】
性能云々以上にデザインが魅力
今回の新型グラファイト100をインプレして感じたのは、性能云々以上にデザインが非常に魅力的だということ。
過去のグラファイトを踏襲したクラシカルなデザインと、黒っぽく見える深緑色に美しいグロス仕上げの塗装。
本当にプリンスの塗装クオリティ、特にグロス系の美しさは現市場でNo.1だと思うんですよね。
全体的にはマット系のラケットが主流ではあるのですが、90年代・2000年代のラケットも知っている40代以上の男性プレイヤーにはこのグラファイトのデザイン+塗装はかなり刺さりそうな予感。
【メリット】
ブレなさとデザイン
・柔らかさとブレなさのバランス
・クラシカルなデザイン
・グロスの美しい塗装
・前作から移行はしやすい
ザイロンの効果などもあって、柔らかさは十分に残しつつもブレずに安定したフレームはグラファイトらしさを感じるポイント。
前述の通りデザインや塗装もクラシカル+シックで、特に40代以上のプレイヤーには気に入ってもらえるのではないかと思います。
また新旧で性能や使用感にそこまで極端な差は感じなかったので、新型へのスイッチも比較的スムーズに出来るはず。
【デメリット】
性能的に尖ったところはない
・アシストは控えめ
・意外と弾道上がらない
・人によっては硬く感じる
アシストは控えめ、弾道も意外と低めに出やすく、性能面で目立つポイントは無いかも。
(グラファイト107の方が食いつきの強さ・弾道の高さなども出やすく特徴も掴みやすかったですね)
またテキストリームxザイロンもスイングの速さや種類によっては硬く感じる可能性もあり、不安な人はプリンスの有料試打でじっくり味見してみるのがオススメです。
相性の良いストリング(ガット)
今回は引っ掛かり感の強いツアーXXスピンを張ったものをテストしたのですが、それでも弾道の持ち上がりは意外と控えめに感じました。
オリジナルのグラファイトは中~高弾道のストロークが打ちやすかったので、それに近い使用感を目指すならエッジの効いた多角形ポリを入れた方が良いかも。
ホールド感を強化しつつ持ち上がりの良さを出すならハイパーG、多少飛びを犠牲にしても弾道の上げやすさを重視するならエクスプロッシブ・バイトやデビルスピンなども選択肢に入ってくるでしょう。
・意外と弾道は持ち上がらない
・ホールド+持ち上がりのハイパーG
・多少飛ばなくて良いならEXバイト
ライバルラケットの比較
【ライバル】
・プロスタッフX
・ブレード100 v9
・パーセプト100D
・TF40 305 16×19 など
ライバルラケットとしては同じ面100+薄ラケのプロスタッフXやブレード100、重量や弾道的に似た部分もあるパーセプト100D、ボックス系薄ラケなのにしっかりしてるという点でTF40などが挙げられます。
中でも一番の競合になりそうな予感がするのはプロスタッフX。
どちらも長い歴史を持つシリーズであり、面100+薄いボックス系フレームというのも共通しておあり、ターゲットのプレースタイルや年代もおそらく同じようなゾーンにあるはず。
どちらもアシスト感自体は大体同じですが、自然なしなやかさと使い心地のあるプロスタッフX、特に強打した時に安定性を感じられるグラファイト100という感じになりますね。
これまでにインプレしたラケットの一覧はこちらの記事からチェックしてみて下さい。
【発売日】
2024年7月予定
公式のHPによると新型ファントムグラファイトの発売予定日は2024年7月下旬となっています。
ただラフィノさんのインプレ動画では2024年7月7日発売と言われているので、実際には少し早めの発売となりそうです。
前作は新シリーズとして登場し注目を集めたという部分もあったので今作は多少落ち着くのかも?という気がしますが、それでも最速で入手するためには予約をしておいた方が良さそうです。
【まとめ】
ファントムグラファイト100 (2025)
・スペックや形状は前作を踏襲
・PowerLevel790はファントムより低い
・柔らかいけど球離れはスムーズ
・低めの弾道でしっかり打ち込める
・とにかくデザインと塗装が秀逸
・2024年7月発売予定