扱いすくカスタムベースとしても期待される薄ラケ+純ボックスフレームの『TF40 290 v3』をインプレッション!
・290g/325mmが新規追加
・実測値はSW277 / RA64
・トップクラスに優れた減衰性
・操作性を活かし丁寧に捌く
・フラット系が伸びるのが長所
・カスタム前提と考えるのが吉
・打感重視のストリング選び
・最大のライバルはCX200LS
・2024年9月7日発売開始
ダブルス | ・・・○・ | シングルス |
ボレー | ・・・・○ | ストローク |
高弾道 | ・・・○・ | 低弾道 |
多彩さ | ・・・○・ | 安定性 |
柔らかい | ・○・・・ | 硬い |
スイートエリア 先端寄り | ・・○・・ | スイートエリア 手元寄り |
イージー | ・・・・○ | スパルタン |
純ボックス+薄ラケ+面98だけど295g/325mmなので操作性やカスタム性が高いのが最大の魅力です!
メリット |
軽くても打ち応えがある フラットドライブを打ち込みやすい 高い減衰性で振動止め要らず 厚い当たりで安定させられる ある程度の汎用性はある |
デメリット |
ノーマルでは若干パワー不足 グリップは他社よりも扁平 高い弾道は打ちにくい |
ノーマルのままだと若干のパワー不足を感じる部分はあるものの、重量やバランスを調整して自分好みに育てていく楽しみがあるラケットですね!
TF40 290 v3をインプレ!
今回はテクニファイバーのTF40 290 v3をインプレッション。
v3になって新たに追加されたのがこの290g/325mmのスペックで、これまで一番軽かった305g/325mmから大幅に扱いやすくなっているのが特徴です。
前作TF40(v2)のインプレはこちらの記事からご確認ください。
デザイン:カモフラ柄でより男性的な印象
デザインはカーキ色のカモフラ柄が特徴で、前作よりも男性的・良い意味で無骨さがアップしています。
前作TF40や現行T-Fightはブランドロゴに凹凸のある塗装でしたが、新型TF40では凹凸のなりフラットな塗装へと変化しています。
文字やTFロゴは黒になっていて、シンプルで美しいデザインになっています。
グロメットは黒ではなくカーキ色になっています。
これまでのラケットには無いような色味なんですが、フレームのデザインや形状などに似合っていると思いますね。
スペック/仕様
モデル名 | Tecnifibre TF40 290 16M v3 |
フェイス サイズ | 98 inch2 |
重量 | 290 g |
バランス | 325mm |
フレーム厚 | 21.7mm 均一 |
ストリング パターン | 16×19 |
グリップ サイズ | 2,3 |
発売予定 | 2024年 9月7日 |
価格 | 38,500 |
これまで最軽量でも305g・325㎜だったTF40ですが、290g/325mmというスペックが追加されたのがv3最大の変更点。
これまでのTF40の重さやバランスで敬遠していた人もトライしやすいスペックだと思います。
モールドは他スペックと全く同じとなっています。
グロメット径は若干大き目となっていて、ストリングピッチは密ですが多少たわみが出そうな雰囲気。
実測値:SW277・RA64
重量 | 290g |
バランス | 325mm |
スイング ウェイト | SW277 |
RA値 | RA64 |
いつもお世話になっているライズテニスサービスさんで計測をして頂いたところ、キレイにカタログスペックでした。
スイングウェイトはSW277で少し低めですが、カスタムする余白が十分にあるという事なので個人的にはちょうど良いなと感じました。
TF40 290 v3のRA値は64で、EZONE98やRF01などと同等の数値になっています。
63 | BOOM MP(2024) VCORE98(2023) BLADE100v8 CX200TOUR TOUR100 |
64 | RF01 300g EZONE98(2022) PERCEPT100L TF40 ELEVATE |
65 | VCORE100(2023) PERCEPT100 PURE STRIKE100 16/20 CX200(2024) T-Fight300iso |
特徴・コンセプト
TF40 v3より新たに加わったウェイト290g、バランス325mmの軽量バージョン。
https://www.tecnifibre.jp/products/tennis_racket/tf40-290-16m-v3/
ウェイトを下げることでスウィングスピードを上げて、より攻撃的に攻めたいプレーヤー、ジュニアや女性プレーヤーにお勧めの#テクニカルボックス。
軽量になったことでスイングスピードを上げ、より攻撃性を高めていきたいプレイヤーなどに向けて追加されたこのスペック。
従来よりも広いターゲット層にTF40をアピールしやすなったとも言えるでしょう。
インプレのセッティング
ストリング | レーザー ソフト 1.25mm |
テンション | 45lbs |
重量増加 | +16.6g |
カスタム | ノーマル |
今回はテクニファイバーのバランス型ポリエステルであるレーザーソフトの1.25㎜をチョイス。
打球感:減衰性はトップクラス
柔らかさ | 1 | しっとりマイルド |
打ち応え | 2 | 125ポリでも手応え重め |
スイート エリア | -1 | 広いとは言えない |
弾き感 | -1 | 乗り感の方が強い |
安定感 | 1 | ブレる感覚は少ない |
減衰性 | 2 | 現市場でもトップ級 |
快適性 | 0 | 雑なプレーはNG |
TF40 v3は290gでも中身の詰まったしっとりとした打球感を実現。
インパクトでの手応えもしっかりしている良い意味で軽さを感じないフィーリングです。
減衰性も非常に優れているのも印象的でした。
性能:高い操作性で丁寧に捌く
ストローク | 1 | 低めの弾道が得意 |
ボレー | -1 | 浮きにくいが飛び控えめ |
サーブ | 1 | スピードが想像以上 |
フラット | 1 | 暴れずに制御しやすい |
ドライブ | 2 | ラケットの旨味が出る |
トップスピン | -1 | 掛けようと思えば掛かる |
スライス | 0 | 浮かないがアシスト少 |
弾道の高さ | -1 | 高さは出しにくい |
パワー | -1 | 軽いのでパワー控えめ |
操作性 | 1 | 290gで取り回しは良い |
振り抜き | 1 | 空気抵抗は少ない |
290gになったことで操作性が若干向上しているので、相手のショットに素早く正確に面を合わせて丁寧に捌くようなプレーにもフィットしやすいのがTF40 290g。
フラットドライブで深いボールを安定して供給しつつ、派手じゃないけど堅実な組み立てで相手を追い込んでいくようなラケットですね。
サーブ:想像以上にフラットが走る
フラットサーブでは自分の力感以上にスピードが出てくれるため、リターン側も目測を誤ったのか振り遅れるという場面が何度かありました。
これまでも290gのフレームをいくつも使ってきましたがゆったり振ってもスピードが出る感覚、良い意味で軽さを感じないのはTF40独自の感触ですね。
一方で回転系サーブは正確なスイングとインパクトが必須になるため、バウンド後の伸びや変化を出すのはなかなか難しかったですね。
ストローク:低く深い球で押し込む
ストロークでは弾道が低く出やすく、擦らずに大きなスイングで打ち抜くことで球威を引き出すことが出来ます。
290gで軽くなっているものの自動的にスイングスピードが速くなるという感じではなく、軽いからこそしっかり振らないと球威は出ないというイメージの方が近いかも。
操作性は向上しているので細かい操作、球際でのコントロールなどはしやすくなったように感じますね。
片手バックはスピンもスライスも結構厳しい
薄ラケ+ボックス系ということもあり、片手バックで擦るようなスピンを打つとショートしてしまいがち。
逆に言えば飛び過ぎる事も無い為、厚い当たりでフルスイングしたい人には安心して打てるラケットだと言う事も出来ると思いますね。
スライスは食いつき・乗り感によって押せる感覚があり、弾道が浮きにくいのも実戦での安定性につながる感じがして好印象。
しかしやはりアシスト自体は少なく、上手くミート出来なかった時や球際では短くなって攻め込まれやすい部分はありますね。
ストリングの変更、重量のカスタムなどして改善していくのが良さそうです。
ボレー:乗り感があり浮きにくい
ボレーでも乗る感覚があるので、スイングの大小・力の強弱でボールの飛距離を調整しやすかったです。
タッチは出しやすく、本当にクラシカルでシンプルなボックスフレームという感じ。
ただしインパクトの手応えは重め、スイートエリアはお世辞にも広くない、重さによるパワーも控えめといった要素が組み合わさり、楽に打てるタイプのラケットではないですね。
総合評価:ノーマルで完成ではなさそう
ダブルス | ・・・○・ | シングルス |
ボレー | ・・・・○ | ストローク |
高弾道 | ・・・○・ | 低弾道 |
多彩さ | ・・・○・ | 安定性 |
柔らかい | ・○・・・ | 硬い |
スイートエリア 先端寄り | ・・○・・ | スイートエリア 手元寄り |
イージー | ・・・・○ | スパルタン |
ノーマルの状態でガッツリプレーしてみましたが、ノーマル状態で完成というワケではなくカスタムしながら育てていく1本だと感じました。
ノーマルでも290gとは思えない打ち応えと安定性は十分感じる事が出来、特にフォアの切り返しは高い精度で打ち込むことが出来ました。
一方で飛びは控えめになっていてもう少しパワーが出しやすくしたいなぁとも感じました。
軽くなったことによるメリット・デメリットの両方を感じるフレームですね。
細ゲージのポリでシャープさをプラス、重量をチョイ足しして操作性はある程度キープしつつ球威を高める、というようなカスタムをしてみたいと考えています。
動画インプレッションはこちら
スリンガーバッグを使った打球感や性能テストについてはこちらをご覧ください。
ダブルスをプレーしている様子はこちらになります!
メリット:フラット系が伸びる
・軽くても打ち応えはしっかり
・フラットドライブを打ちやすい
・高い減衰性で振動止め要らず
・305g/315gより操作性向上
軽くても打ち応えがあり、フラットドライブで強く打ち込んで行く気持ち良さは120点のラケットですね。
減衰性は現市場でもトップクラスに優れており、振動止めは無しで快適にプレーすることが出来ます。
デメリット:カスタム前提で考えるべき
・ノーマルでは若干パワー不足
・高い弾道は打ちにくい
・グリップは他社よりも扁平
290gだとパワー自体は控えめなので、自分の力で飛ばす感覚は強め。
ピッチは狭くグリップは扁平なので、高い弾道やスピン系には若干不利な所はあると思います。
相性の良いストリング(ガット)
軽量スペックでもフィーリングを大切にする人が選ぶタイプのフレームだと思うので、基本は自分の好きな打球感のストリングを張ってみて様子を見るのが吉。
ただ中厚系・黄金スペックなどに比べれば振動が少なくしっとりした感触、加えて少し重めの手応えになりやすいのを考慮して調整していく必要があると思います。
らしさを強調するなら柔らかめのポリ
ボックスらしい乗り感を重視するのであれば、今回使用したレーザーソフトやG-TOUR3、ファントムタッチなどある程度柔らかさがあるようなストリングがオススメ。
ただ軽量+球持ちの良さによるパワー不足感が出る可能性もあるので、そういった場合には1.20㎜以下の細ゲージのポリで球離れの良さをプラスするのが吉かと思いますね。
ライバルラケットの比較
【ライバルラケット】
・CX200LS
・WHITEOUT290
(BLADE98S)
(EZONE98L)
(VCORE98L)
TF40 290のようなスペックのラケットは、現市場ではもはや絶滅危惧種となっています。
薄ラケ+ボックス系+フラットビーム+面98(16×19)+300g未満という要素を満たしているのは、CX200LSやWHITEOUT290などごく一部の製品のみとなっています。
面98+300g未満という条件であればBLADE98S、EZONE98L、VCORE98Lなども候補として入ってきますね。
最大のライバルはCX200LS
一番のライバルは間違いなくダンロップのCX200LS。
カタログスペック上はほぼ同じ2本ですが、CX200LSはSWが260台と軽めの個体が多い事もあって操作性は◎。
打感もTF40に比べれば軽やかさがあり、薄ラケを楽に振り回したいという意味ではCXにやや分がありそう。
TF40はSW277で若干高く、打球感もしっとり+手応えしっかりなのでよりハードヒット or フラットで叩きたい人にフィットするフレームになっています。
軽やかさならCX、打ち応えと減衰性ならTF40という感じかと思いますね。
発売日・予約情報
TF40 v3は2024年9月7日に発売スタートとなっています。
テクニのラケットバッグも一緒に
テクニはラケットバッグのデザインや作りが非常に優れていて魅力的なのですが、今回のTF40 v3に合わせてカーキ色の製品が追加されています。
このバッグの中からTF40を取り出したら強者感が出る・・・はず。
個人的な感想:軽いからこその長所・短所が明確
本日のテスト。
— アドブロ / コトウダマサト(TRUEMAN) (@ADVNTG_kotodama) September 27, 2024
✅TF40+ブラスト120
✅ツアープロZ Ⅵ
まずどちらもデザインが秀逸☺️ pic.twitter.com/kpRixecqok
様々な環境でこのTF40 290gを使用してみましたが、軽量になったことによる長所・短所がハッキリと出るラケットだなと感じています。
まず軽くなった事で操作性は若干向上したのは大きなメリットで、面を合わせる、ボレーを捌くといった場面で明らかにプレーしやすく感じました。
一方で軽量になった事で重みによるパワーは減少、むしろ305gの時よりも自分の力・自分のスイングの強さで飛ばすという感覚は強まっています。
そうなるとやっぱり一番のメリットはカスタムベースとしてのイジりやすさで、自分好みの重量・バランスにしやすい、レザーグリップにしつつ総重量を抑えられるというのはこれまでの305g・315gには出来なかった事だと思いますね。
一方で軽さゆえにノーマルでは今まで以上にスイングスピードやフィジカルが求められるので、ジュニア選手や女性プレイヤーには正直オススメはしにくいラケットだと考えてます。
減衰性の高いフィーリング、カスタムして性能を引き出す、ある意味プロストックのようなラケットなのだと思います。
まとめ:TF40 290 v3
・290g/325mmが新規追加
・実測値はSW277 / RA64
・トップクラスに優れた減衰性
・操作性を活かし丁寧に捌く
・フラット系が伸びるのが長所
・カスタム前提と考えるのが吉
・打感重視のストリング選び
・最大のライバルはCX200LS
・2024年9月7日発売開始