今回インプレするのはブイコアプロ100の後継機種にあたる『ヨネックス・パーセプト100』です!
こんな人にオススメ |
オールラウンドプレーがしたい 柔らかめの打球感が欲しい ゆったり振っても飛ばしたい VCP100から円滑に乗り換えたい |
メリット・デメリット |
○ 柔らかい打球感 ○ 食いつきや減衰性 ○ オールラウンドな性能 ○ 弱点の少ない仕上がり ○ 前作から正統な進化 × 食いつきによる失速感 × 100Dに比べて没個性気味 × 前作からの進化は最小限 |
この記事では『YONEX PERCEPT 100』を徹底的に解説させて頂きます!
ヨネックス・パーセプト100
(YONEX PERCEPT100 2023)
今回はブイコアプロ100(VCORE PRO100)の後継機種にあたる新型テニスラケット:ヨネックス・パーセプト100 2023年モデルをレビューしていきます。
Embed from Getty Images前作が黒ベースに緑+紫の強そうなデザインだったのに対し、今回のパーセプトは淡い緑色をベースにしたちょっと可愛らしい雰囲気のデザインへと変更されています。
グロメットも良く見ると黒ではなくて、半透明なグリーン系となっています。
スペック/仕様
モデル名 | YONEX PERCEPT100 |
フェイス サイズ | 100 |
重量 | 300g |
バランス | 320mm |
スイング ウェイト | (318)※ |
フレーム厚 | 23 mm 均一 |
フレックス | (RA65前後)※ |
ストリング パターン | 16×19 |
グリップサイズ | 1,2,3 |
発売予定 | 2023年 9月上旬 |
価格 | 40,700円 (税込) |
(※カタログ値ではなく、PTレブ1.25を張り上げた状態での実測値)
前作(VCP100)からモールドやカタログスペック上の変更はありません。
スイングウェイトとRA値はライズテニスサービスさんで測って頂いた数値となっており、ストラングの状態でSW318(フレームのみでは推定285前後)、RAは64となっています。
ちなみにTennisWarehouseではRA66となっていたので、パーセプト100の平均はRA65前後と考えても良さそうですね。
前作VCORE PRO100がRA63、パーセプト100がRA66とされていたので、パーセプトになってRA値は+2,3ポイントほど上がっているようですね。
RA値の近いラケットを一覧にまとめたのが以下の表になります。
パーセプト・シリーズの実測値
スペック | スイング ウェイト (ストリング込み) | RA値 |
97 (ポリツアーレブ125) | 313 | 59 |
97D (ポリツアーレブ125) | 332 | 60 |
100 (ポリツアーレブ125) | SW318 | RA64 |
100D (ポリツアーレブ125) | 320 | 64 |
100L (レクシスコンフォート125) | 308 | 64 |
104 (レクシスコンフォート125) | 302 | 62 |
パーセプト全機種のスイングウェイト+RA値の測定結果が上図の通り。
100はスイングウェイト318、RA値64なので、シリーズの中ではパワフルなスペックだと推測出来ます。
特徴・コンセプト
研ぎ澄まされた手のひら感覚で自在にボールをコントロール。
https://www.yonex.co.jp/sp/tennis/racquets/percept-100.html
攻撃的にボールを操る、オールラウンドモデル。
パーセプト100はシリーズの中でも最も標準的なスペックで、幅広いユーザーがオールラウンドに使うことが出来ます。
前作からの大きな変更点としてはサーボフィルター(SERVO FILTER)を搭載したことによるホールド性能・減衰性能の向上。
前作からの変更点やスペック一覧などはこちらの記事をチェックしてください。
インプレ:予想通りのマイルド系万能型
ストローク | -1 | 意外と失速感があるかも |
ボレー | 0 | 乗り感に慣れればGOOD |
サーブ | 1 | 回転の調整はしやすい |
ドライブ | 1 | 厚く捉えて打ち込める |
トップスピン | -1 | 回転過剰で浅くなりがち |
弾道の高さ | 1 | 引っかかりは非常に良い |
スライス | -1 | 若干調整がしにくい印象 |
反発力 | 0 | 辛くはないが乗り強め |
パワー | 0 | まさに平均値という感じ |
ホールド感 | 2 | かなり食いつきはある |
安定性 | 0 | しなやかさの割には良い |
操作性 | 1 | 扱いやすい300g |
振り抜き | 1 | 100にしては悪くない |
減衰性 | 1 | 減衰性は良好 |
快適性 | 1 | 全体的に快適 |
打球感:しっかりホールド+程良い手応え
パーセプト100の打球感は柔らかくホールドする感覚が強めで、インパクトでの手応えはほどよいレベル。
フレーム自体のしなりやたわみはそこまで大きい感じではなく、ストリングが大きくたわんで動くことで柔らかさが出てるという感じでした。
ストリングのピッチ(間隔)は広く、さらにグロメット穴の直径も大きい(※前作同様)というのがこの感触を生み出しているようですね。
パーセプトは前作よりRA値が少し上がりましたが硬さは感じず、減衰性も含めて快適性は良かったです。
今回はポリツアーレブ1.25(新色ミント)を使っていたのですが、このセッティングだとかなり強くボールを掴むのでガッシガシ振っていける人向けだなと感じました。
性能:少しだけ控えめな万能モデル
コンセプト通りストロークからネットプレーまでオールラウンドに使える仕上がりのパーセプト100。
EZONE100やピュアドライブのようなパワー系黄金スペックと比べると、全体的にやや控えめ・大人しめといった印象でした。
サーブ:回転と変化で揺さぶるイメージ
回転の掛けやすさ、操作性の良さなどもあり、スピン系〜スライス系を使って相手を揺さぶるようなサーブが打ちやすかったです。
球速重視の1stサーブ(フラット系サーブ)も悪くはないものの、同シリーズの97と比べると球速や推進力は少し物足りなく感じました。
ストローク:バリエーションのある展開が可能
ドライブ系から少し高めの弾道のスピンまで調整はしやすく、バリエーションのある展開をしやすいラケットだなと感じました。
フルスイングのショットをコートに収めたい人はもちろん、ゆったり大きなスイングでコントロールを重視したいという人にもオススメ。
ただPTレブとの組み合わせだと食いつきの強さとスピン性能の高さが災いして、回転過多でショットが浅くなりがちな場面も。
この点においては新たに追加されたパーセプト100Dがカバーしているので、前作以上にスペック選びは悩ましい部分かもしれません。
ボレー:弾くよりも少し押す方がGOOD
ボレーのようなスイングでもボールの食いつき・乗り感はあり、弾いて飛ばすというよりも押して深さを出すイメージの方がGOOD。
使い心地は前作とあまり変わっていないと感じたので、VCORE PRO100ユーザーのパーセプト100への移行も安心出来ると思います。
メリット・デメリット
メリット | デメリット |
・柔らかい打球感 ・食いつきや減衰性に優れる ・オールラウンドな性能 ・弱点の少ない仕上がり ・前作から正統な進化 |
・食いつきによる失速感 ・100Dに比べて没個性気味 ・前作からの進化は最小限 |
他スペックとの違い・選び分け
ここからはパーセプトシリーズでの100の位置付けや、前作ブイコアプロ100との違いについてまとめてみました。
100Dと比較:推進力と操作性に大きな違い
比較 | 100 | 100D |
推進力 球威 | △ | ◎ |
弾道 高さ | 中~高 | 低 |
回転 掛けやすさ | ○ | △ |
操作性 | ◎ | △ |
今回新規に追加されたのが100Dと比較すると、意外と別物感が強いなと思いました。
実際に同じPTレブを張って打ち比べてみましたが違いは明確で、100Dの方が重みもあって直線的な速さ・推進力を出していきやすく、一方の100は操作性が良く食いつきの強さによって高さや回転量の調整がしやすいといった感じ。
100Dの方がより威力重視・攻撃的プレーをしたい人に、100は操作性と調整力が欲しい人にそれぞれオススメしたいですね。
VCORE PRO100との違い:新型の方が安定性向上
前作にあたるブイコアプロ100(VCP100)と比較すると、若干ですがパーセプトの方がフレームのバタつき感のようなものは減ったんじゃないかなと思います。
VCP100はしなやかで食いつきの感じやすいラケットに進化したモデルでしたが、しなりだけでなくねじれやたわみ感も大きかった印象があります。
実際PTレブxPTファイアのハイブリッドにしたらあまりにも上手く打てなくて、VCP100を手放すことを決めたのでありました・・・
パーセプト100は柔らかさはありつつも無駄なねじれやたわみはなくなって、ストロークでもボレーでも安定したショットを打ちやすくなったと思います。
ライバルラケットの比較
<PERCEPT100のライバル>
・SPEED MP
・CX400TOUR
・PURE STRIKE100
・BOOM MP
・TOUR100 など
パーセプト100のライバルに当たるのは、面100平方インチ+300g前後+23mm前後のスペックのラケットですね。
特にスピードMP、CX400TOURの2本はスペック上はほぼ同じということもあり、ぜひ比較したいモデル。
PERCEPT100:アイソメトリックのあるSPEED MP
モデル名 | PE 100 | SPD MP | CX400 TOUR |
---|---|---|---|
球威 | △ | △ | ○ |
しなり (RA値) | ○ 65 | ○ 62 | △ 67 |
操作性 | ◎ | ◎ | ○ |
振り抜き | ○ | ○ | ◎ |
スピン | ○ | ◎ | △ |
ドライブ | ○ | ○ | ◎ |
スライス | △ | △ | ○ |
食いつき | ◎ | ◎ | △ |
疲れにくさ | ○ | ○ | ○ |
すごく雑な表現をすれば、パーセプト100は『ヨネックスがスピードMPを作ったらこんな感じ』っていうイメージ。
柔らかい打球感とスピンの調整のしやすさがありつつも、ヨネックス独自のアイソメトリック形状によってスイートエリアの広さや位置がスピードMPとは違うという感じです。
RA値はSPEEDが62、パーセプト100の65となっていますが、打球感の柔らかさは結構近い印象。
スピードMPの縦長フェイス形状があんまり合わなかった・・・という人はパーセプト100を試してみてると良いかもしれませんね。
CX400TOURもスペック上はほぼ同じですが、①センターフォーカスされたストリングパターン、②グロメットの直径は標準、③RA67で若干高め、という違いがあります。
CX400TOURの方がカッチリした打感から低く速いボールが打ちやすくなっており、パーセプト100の方が食いつく分だけ少し高めの弾道でスピンを掛けるスタイルとフィットしやすくなっています。