今回はラケットの断面形状を6種類に分類して解説をしてます!
テニスラケットの断面形状はラウンドとボックスだけじゃない!
テニスラケットのフレーム形状には、大まかにラウンド形状とボックス形状の2種類があるという記事をアップしてきました。
『ラウンドっぽい』とか『ボックスらしい』という表現は、テニスラケットのインプレには頻繁に登場するフレーズとなっています。
ところが!
実際には”ボックスとラウンドが混ざったような形状”のラケットも存在しているのです。
そこでアドブロでは上図のように『ハイブリッド型』と呼ぶ事でイメージしやすくなるようにしてきました・・・
フレームの断面形状はもっと細かく分類出来る!
だがしかし!
アドブロを読んでくれているのはラケットにかなり詳しい人ばかり!
こういったマニアックな要望に応えて
今回は6タイプに分類しました!
分類を細分化をすることによって、よりラケットの特徴やメリットが把握しやすくなり、ラケット選びの際に失敗する可能性を減らす事が出来るはすです!
どこよりも細かく・分かりやすく解説をしていますので、ぜひご自身のラケット選びのヒントにご活用ください!
※どうしても曖昧な部分や、分類が微妙なモデルも存在しますが、アドブロ独自の分類ですのであらかじめご理解下さい。
ラケットのフレーム形状を6種類に分類!
純ラウンド型フレームの特徴
Embed from Getty Images<特徴>
・全体がラウンド(楕円)形状
・剛性が高くパワフルな飛び
・幅広いプレイヤーにフィット
・打球感は硬め
→手応えは軽め
<性能>
パワー
スピン量
弾道の高さ
振り抜き(空気抵抗)
打感の柔らかさ
純ラウンド型はピュアドライブをイメージしてもらえばOK!
フレームの剛性が高く、速いボールを打ち込みやすいのが大きなメリット!
フレームが変形しにくいので、しなりやたわみは少なく、手応えは軽めの傾向があります。
純ラウンド型のラケットはこれ!
<バボラ>
ピュアドライブ
ピュアドライブVS
<ヘッド>
インスティンクト
<プリンス>
ビースト100
ビースト98
クローム100
<ウイルソン>
ウルトラツアー95
ウルトラツアー100
<ダイアデム>
NOVA100
ピュアドライブは言わずとしれたラウンド型の王道。
ウルトラツアーはラウンド形状ではあるものの、フレーム厚が薄め+テーパー無しの仕様になっています。
ラウンド+α型フレームの特徴
Embed from Getty Images<特徴>
・フェイスはラウンド
→シャフト部分が複雑な形状
・純ラウンドより個性を強調
・弾道が上げやすいものも多い
・打感は少し硬め
→手応えは少し軽め
<性能>
パワー
スピン量
弾道の高さ
振り抜き(空気抵抗)
打感の柔らかさ
純ラウンド型から派生したタイプがこのラウンド+α型。
ピュアドライブからアエロプロドライブが生まれたように、特定の性能・機能を強化したモデルが多いカテゴリーです。
特にシャフト部分に各社工夫を凝らしており、そこの形状の違いによってラケットの性能や使用感にも大きな差が生まれています。
ラウンド+α型のラケットはこれ!
<バボラ>
ピュアアエロ
ピュアアエロVS
<ヨネックス>
EZONE
<ヘッド>
エクストリームツアー
<ウイルソン>
ウルトラ100
<ダンロップ>
SX300
FX500
FX500TOUR
ピュアアエロは3角形に近いシャフトをしており、ピュアドライブよりもスピンのかけやすさを高めたモデル。
SX300も溝付きの多角形にした事で、ボールをしっかりと捕まえてスピンに変換するコンセプトを体現。
EZONEはフェイス周りはほぼラウンドですが、シャフトが6角形+スリムになっている事でしなり感を生み出しています。
純ボックス型フレームの特徴
Embed from Getty Images<特徴>
・全体がシンプルな四角形
・しなり、たわみを感じやすい
・薄いラケットが多い
・弾き、飛びは控えめ
・打感は柔らかい
→手応えは重い
<性能>
パワー
スピン量
弾道の高さ
振り抜き(空気抵抗)
打感の柔らかさ
特にキャリアの長い男性プレイヤーに多く愛されているのがこの純ボックス型のラケット。
フェデラーやマレー、ジョコッビなどもこのカテゴリーのラケットを使用しています。
特にしなやかさを感じやすいラケットが多く、プレイヤー側の意図を反映しやすいのが大きなメリットです。
しなやかな分、パワーロスが生じやすいのがデメリットとなっています。
純ボックス型のラケットはこれ!
<バボラ>
ピュアストライクVS
<ヘッド>
プレステージMID
プレステージMP
<ウイルソン>
プロスタッフ97
<プリンス>
ファントムグラファイト97
ファントムグラファイト100
ファントムグラファイト107
<ブリヂストン>
X-BLADE BX
ピュアストVSやプレステージ、プロスタッフは少し角が丸みを帯びたような四角形。
現在販売されているモデルの中では、ファントムグラファイトが1番四角さを感じやすい形状になっています。
ボックス+α型フレームの特徴
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・フェイスはボックス系
→シャフトは独自の形状
・パワーロスしにくい
・振り抜きが良い
・より個性的なモデル多数
・打感は少し柔らかい
→少し重い
<性能>
パワー
スピン量
弾道の高さ
振り抜き(空気抵抗)
打感の柔らかさ
純ボックスから派生したのがこのボックス+α型ラケット。
単純な四角形はパワーロスが生じやすいというデメリットを補うため、断面形状に工夫をしてパワーや攻撃力を向上させているのがこのカテゴリーの特徴。
ボックス+α型のラケットはこれ!
<ヨネックス>
ブイコアプロ97/100
ブイコアプロ97HD
<バボラ>
旧ピュアアエロVS
<ウイルソン>
BLADE
<ヘッド>
グラビティ
<プリンス>
ツアー95
<ダンロップ>
CX200
CX200 OS
CX200 TOUR
CX400 TOURなど
<トアルソン>
フォーティーラブXX
ブイコアプロはベクターシャフト(凸形状)で剛性アップ、CXはフレームの内外で厚みの異なる台形を採用。
旧ピュアアエロVSだとフェイスは純ボックスですが、シャフト部分がピュアアエロと同じ!という変わり種でもありました。
ハイブリッド型フレームの特徴
Embed from Getty Images<特徴>
・ボックス+ラウンドの形状
・直線と曲面の組み合わせ
・部位によって変化するタイプも
・性能のバランスが良い
・尖った性能は少ない
・打感は少し硬い
→手応えは少し軽い
<性能>
パワー
スピン量
弾道の高さ
振り抜き(空気抵抗)
打感の柔らかさ
ボックス形状とラウンド形状が組み合わさったのがこのハイブリッド型ラケット。
ボックスのしなやかさとラウンドのパワフルさを上手くミックスして、バランスの良い性能を実現しているのが最大の特徴となっています。
ハイブリッド型のラケットはこれ!
<バボラ>
ピュアストライク16×19
ピュアストライク100
<プリンス>
ツアー100
ファントム100
ピュアストライクはフェイスはラウンドっぽいのですが、シャフトは凸を上下に薄くしたような形状になっています。
TOUR100は全体的に四角+曲面の複合的な断面形状を採用。
一方でファントム100の場合はフェイス周りはボックス寄り・シャフト周りはラウンド寄りという感じで、場所によって形状が切り替わる設計になっています。
多角形型フレームの特徴
Embed from Getty Images<特徴>
・直線が多い多角形
・しなやかさ+パワフルさ
・モデル毎に大きく特性が違う
・弾き、飛びは控えめ
・打感は柔らかい/重い
<性能>
パワー
スピン量
弾道の高さ
振り抜き(空気抵抗)
打感の柔らかさ
フレーム全体が5角形や6角形など、多角形断面になっているタイプのラケットです。
ボックス+αタイプにも近いと思われる人が多いと思いますが、こちらはフェイス周りも多角形で構成されているため、強打出来る安心感と適度なアシスト感を高い次元で両立させたものが多いです。
多角形型のラケットはこれ!
<ヨネックス>
ブイコア98
ブイコア100
<ヘッド>
スピード
ラジカル
<ウイルソン>
クラッシュ
<テクニファイバー>
T-Fight RS300
ブイコアはベクターシャフトで剛性がありつつも、フェイス部分のたわみでボールを掴む設計。
スピードはフレームの外周はほぼボックス形状ですが、フェイス内側にかけて台形状に隆起しており、レスポンスの良さを実現。
反対にクラッシュはフレックスを最大化を目的としており、異常なほどのしなりを生み出しています。
T-Fight RSはシャフト部分は5角形・フェイスは6角形となっていて、純ボックスに近い感触を残しつつも、ブレにくい特性を実現しています。
まとめ:ラケットのフレーム形状&分類を徹底解説
・従来はラウンドorボックス
・6種類に分類し解説!
・パワーに優れた純ラウンド型
・性能特化のラウンド+α型
・しなやかさの純ボックス型
・強打出来るボックス+α型
・バランス良いハイブリッド型
・個性際立つ多角形型
・ラケット選びの指標に!